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世界の石油・ガス需要、50年まで拡大も 気候目標未達か=IEA

2025年11月12日(水)15時54分

 11月12日、国際エネルギー機関(IEA)は、世界の石油・ガス需要は2050年まで伸びる可能性があると表明した。写真はIEAのロゴ。パリで2023年12月撮影(2025年 ロイター/Sarah Meyssonnier)

Susanna Twidale

[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は12日、世界の石油・ガス需要は2050年まで伸びる可能性があると表明した。よりクリーンな燃料へ迅速に移行するという従来見通しから離れ、世界は気候目標を達成できない可能性が高いとの見解を示した。

IEAはバイデン前米政権下では、世界の石油需要がこの10年間でピークに達すると予測し、気候目標を達成したいのであれば石油・ガスへの投資はこれ以上必要ないとしていたため、トランプ現政権のライト・エネルギー長官はこの予測を「無意味」と指摘していた。

IEAは加盟国から資金提供を受けており、米国が最大の拠出国となっている。

今年の「世界エネルギー見通し」によると、現行政策シナリオの下、今世紀半ばまでに石油需要は日量1億1300万バレルに達し、24年の消費量から約13%増加する。

また、世界のエネルギー需要は35年までに90エクサジュール増加し、現在より15%拡大する。

現行政策シナリオは既存の政府政策を考慮したものであり、気候目標の達成を目指したものではない。

IEAは、各シナリオはさまざまな仮定のもとで起こりうる結果を探るものであり、予測ではないとしている。

報告書はまた、新規の液化天然ガス(LNG)プロジェクトの最終投資決定が25年に急増したと指摘。30年までに年間約3000億立方メートルの新規LNG輸出能力の操業が始まり、供給可能量が50%増加する。

現行政策シナリオでは、世界のLNG市場は24年の約5600億立方メートルから、35年には8800億立方メートル、50年には1兆0200億立方メートルに増加する。

15年のパリ気候会議では、190カ国以上が世界の気温上昇を摂氏1.5度以内に抑えようとすることを約束。しかし、報告書によればどのシナリオでも1.5度を超える見通し。

ロイター
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