ニュース速報

ワールド

中国、台湾当局者7人に制裁 独立を支持

2022年08月16日(火)17時24分

中国政府は台湾の独立を支持したとして台湾の当局者7人に制裁を科した。新華社が16日報じた。写真は2017年11月に台北で撮影した台湾国家安全保障会議の顧立雄秘書長(2022年 ロイター/Brenda Goh)

[北京/台北 16日 ロイター] - 中国政府は台湾の独立を支持したとして台湾の当局者7人に制裁を科した。

中国は今月のペロシ米下院議長の訪台で台湾独立派に間違ったシグナルが送られたと主張していた。

制裁の対象となったのは台湾の駐米大使に相当する駐米台北経済文化代表処の蕭美琴代表、台湾国家安全保障会議の顧立雄秘書長、台湾の与党・民主進歩党に所属する複数の政治家。

中国国営新華社通信によると、中国国務院の台湾事務弁公室の報道官は制裁について、対象者は中国本土、香港、マカオへの入境を禁じられる。制裁対象者と関係がある企業・投資家は中国で利益を得ることができなくなる。

同報道官は「少数の頑固な分離主義者が自己の利益のために外部勢力と結託し、台湾独立を主張する挑発行為を行ってきた」と主張。「こうした勢力の活動はペロシ氏が中国の台湾地区を訪問した際にさらにひどくなった。台湾独立を求める頑迷な本質が一段とあらわになった」と述べた。

台湾外交部(外務省)の報道官は民主的な台湾は「中国に干渉されることはあり得ない」とし、「権威主義や全体主義体制からの脅威や威嚇を受け入れることもできない」と述べた。

台湾の大陸委員会は中国が「敵意と不安を作り出そうとしている」と非難した。

民進党の林飛帆副秘書長は制裁リストに加えられたことは名誉なことだと表明。「権威主義的な政権から制裁を受けることは、自由世界のメンバーにとって勲章であり、大変輝かしいことだ」とフェイスブックに投稿した。

台湾の当局者は中国を訪問しないため、今回の制裁は実質的にほとんど影響がない。

中国は先に、蘇貞昌行政院長(首相)、呉ショウ燮外交部長(外相)、游錫コン立法院長(国会議長)にも制裁を科している。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中