ニュース速報

ワールド

ドイツ第2党SPD、連立協議入りの圧力強まる

2017年11月24日(金)08時17分

 11月23日、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)、緑の党による連立協議が決裂したドイツで、第2党であるドイツ社会民主党(SPD)のシュルツ党首(写真)に対し、CDU・CSUと大連立を組むよう求める圧力が強まっている。(2017年 ロイター/Hannibal Hanschke)

[ベルリン 23日 ロイター] - メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)、緑の党による連立協議が決裂したドイツで、第2党であるドイツ社会民主党(SPD)のシュルツ党首に対し、CDU・CSUと大連立を組むよう求める圧力が強まっている。

SPDは2013年からCDU・CSUと大連立を組んできたが、今年9月の総選挙後、シュルツ党首は再び連立を組むことを否定している。

しかし、長期の政治空白への懸念が欧州全域で広がる中、SPDに対し、シュルツ氏の決定を見直し、CDU・CSU主導の少数政権を支持するか、あるいはCDU・CSUと再び連立を組むよう求める圧力が強まっている。

いずれにしてもシュルツ氏は党首にとどまることができなくなる可能性がある。SPDが下野の方針を転換してCDU・CSUとの連立を選び、党首交代が必要になった場合、新党首を決めるのは12月7─9日の党大会以降になる公算が大きい。

シュルツ氏は23日、再選挙の回避に向けて調整を行うシュタインマイヤー大統領と長時間会談。その後、党幹部と協議を行った。

あるSPD幹部は会合前に「独連立政権の樹立が可能かどうか、またどのようにすれば可能かどうかを話し合う」と述べ、少数政権に反対しない形で間接的にメルケル氏を支持することが1つの選択肢だと語った。

一方、SPD内で強い影響力を持つニーダーザクセン州のワイル首相は「少数政権は弱い」とし、大連立が好ましいとの考えを示唆した。その上で「欧州連合(EU)の極めて重要なメンバーの安定に関わる、影響の大きい問題だということを誰もが理解している」と述べた。

SPDのラウターバッハ副党首はZDFテレビで23日、党は大連立への反対を見直す必要があるかもしれないとしながら、メルケル首相が率いる連立への参加には依然として懐疑的だと話した。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国投資家、転換社債の購入拡大 割安感や転換権に注

ワールド

パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、1人負傷 警

ビジネス

24年の独成長率は0.3%に 政府が小幅上方修正=

ビジネス

ノルウェー政府系ファンド、ゴールドマン会長・CEO
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中