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米大統領来日、両首脳は松山選手同伴でゴルフ外交 北朝鮮議論へ
11月5日、トランプ米大統領が、大統領専用機(エアフォース・ワン)で日本に到着した。写真は横田基地での同大統領(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[米軍横田基地/川越 5日 ロイター] - トランプ米大統領が5日、大統領専用機(エアフォース・ワン)で日本に到着。北朝鮮のミサイル発射や核実験で緊張が高まる中、同国に対する強硬姿勢の正当性を主張し、アジア各国首脳との協議では、北朝鮮問題が主要議題になると指摘した。
到着後、大統領は埼玉県内のゴルフ場で安倍晋三首相と昼食やゴルフをともにし、親交を深めたとみられる。両首脳は6日、迎賓館(東京・元赤坂で)で会談し、北朝鮮問題などを議論する。
トランプ大統領は12日間のアジア歴訪の最初の訪問国・日本で、安倍首相との会談を通じて、北朝鮮問題で日米の結束をアピールする狙いがあるとみられる。
トランプ氏は機中で記者団に対し、米政権は北朝鮮をテロ支援国家に指定するかどうか近く決定すると明らかにした。「われわれはそれを解決したい。わが国と世界にとって大きな問題だ」と指摘。長年の対応が十分でなかったとし、非常に異なるアプローチを取る計画だと述べた。ただ、詳細には言及しなかった。
トランプ氏はまた、アジア歴訪中にロシアのプーチン大統領と会談する計画も明らかにし、「北朝鮮問題でプーチン氏の助けを得たい」と語った。
大統領は、北朝鮮問題で日韓首脳との連携確認を目指し、この問題への対応強化に向け、中国の習近平国家主席にも圧力をかける方針だ。
大統領は、アジア各国の首脳との協議で、貿易問題も焦点になると指摘した。
トランプ氏は、米国に「より有利な政策」に合意するようアジアの同盟国を説得しようとしている。
アジア歴訪の最重要イベントは、ベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席だ。トランプ氏は同会議の場で、中国の海洋進出を念頭に、自由で開かれたインド洋・太平洋地域を推進する演説を行う予定だ。
同氏は機中で「われわれの焦点の1つは貿易だ。米国は25年にわたり、この地域や世界のどの地域ともうまく貿易を行ってこなかった」と指摘。
「互恵的な貿易について協議するつもりだ。公正で自由でかつ互恵的な貿易だ」と述べた。
トランプ大統領は米軍・横田基地に到着後、同基地内で米軍関係者などを前に、日本はすばらしい文化や誇り高い歴史を持っていると指摘。そのうえで「重要な同盟国である」と語った。
また、北朝鮮を念頭に「どんな独裁者も米国の決意を軽視してはならない」と述べるとともに、安全のために必要があれば、戦うことがあると述べた。
一方、経済面では、今回のアジア歴訪で「公平な貿易を目指すチャンスを見出して行きたい」とも述べ、貿易不均衡問題の改善で何らかの提案をする可能性をにじませた。
安倍首相は5日午前、首相官邸で今回のトランプ大統領の訪日について「歴史的な訪問を歓迎したい。2人の信頼関係の上に、日米同盟のきずなをさらに確固たるものにしていきたい」と表明。「北朝鮮情勢をはじめ、国際的なさまざまな課題について、じっくりと時間をかけて話し合いたい」と述べた。
その後、安倍首相は埼玉県川越市の霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)に移動。横田基地からヘリコプターで来たトランプ大統領を出迎えた。
首脳同士で昼食をともにし、松山英樹プロも加わってゴルフをプレーした。
5日夜は、東京都内の和食レストランで両婦人も加わった夕食会が開催される。
トランプ大統領は6日午前、皇居で天皇、皇后両陛下と会見。同日午後に迎賓館で日米首脳会談が行われる。会談では、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展とその対応策について、突っ込んだ議論が行われる見通し。
また、東・南シナ海に進出する中国に関する情勢認識や、インド・太平洋地域での安全保障や貿易問題についても意見交換するとみられている。
日米間で経済協力や貿易不均衡問題などがどの程度、話し合われるかも注目で、トランプ大統領から日米FTA(自由貿易協定)の話が出るのかどうかにも、一部の市場関係者は注目している。
トランプ氏は大統領に就任後、初めての訪日になるが、安倍首相との日米首脳会談は、今年9月のニューヨーク以来となる。
*写真を更新しました。
(編集:田巻一彦)