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メイ英首相、EU首脳に離脱交渉の進展求める

2017年10月20日(金)10時58分

 10月19日、英国のメイ首相(写真中央)は、欧州連合(EU)首脳会議の開催に先立って開かれた夕食会で、英国のEU離脱を巡る交渉を進展させるよう各国首脳に呼び掛けた。(2017年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 19日 ロイター] - 英国のメイ首相は19日に開かれた欧州連合(EU)首脳の夕食会で、英国のEU離脱(ブレグジット)を巡る交渉を進展させるよう各国の首脳に呼び掛けた。

メイ首相は夕食会の場で、国内で直面する「困難な政治的背景」を強調。20日の首脳会議閉幕時に発表される声明で、ともに前に進むことを可能にする原動力を作り出すことが緊急の重要課題だとの認識を示すよう求めた。

EU各国首脳はメイ首相に、清算金についてより具体的な提案をするよう求めたが、メイ首相は清算金ではなく、英国に住むEU市民の権利保護について追加の措置を提案した。

英政府当局者によると、メイ氏は9月にイタリアで行った演説以上に清算金の問題に踏み込むことはできなかったが、他の複数の提案に言及したもようだ。

この当局者によると、メイ氏は「責任を持って国民に示すことのできる結果を導くためには、双方の協力が必要であることが明確になりつつある」と強調。

「これまでと異なる新しいバランスで権利と義務を定めた、双方の市民の繁栄を支える緊密な経済協力関係を実現する枠組み」に言及したという。

また「われわれは自由貿易、公正な競争、十分な消費者の権利、高い規制基準を目指すという基本的な考えを共有しているため、何を達成できるかについて楽観的かつ野心的であるべきだ」と発言。

「これと同時に、私は英国が欧州の安全保障の維持に無条件にコミットしているということを明確にしておきたい」とも述べたという。

今回のEU首脳会議では、現在の離脱交渉について、通商など将来の関係を話し合う「第2段階」に入るほど十分な進展はしていないとの判断を示す見通し。

その上で、12月までに清算金を巡ってより踏み込んだ提案をするよう英国政府に求めるとともに、通商協議入りに向けた準備をEU内で進める意向を示すとみられている。

ドイツのメルケル首相は、離脱交渉は進展していると前向きに評価し、交渉が決裂する可能性があるとの見方を否定した。

同氏は首脳会議の初日の日程終了後、記者団に対し「英メディアの報道とは対照的に、交渉は一歩ずつ進んでいるというのが私の印象だ」と述べ、英国内の一部で交渉を打ち切る案が浮上していることは「ばかげている」と一蹴した。

また「誰もが力を注げば、良い結果が得られると強く確信している」とし、「交渉が成功しないことを示す兆候はこちら側には一切ない」と言明した。

*内容を追加しました。

ロイター
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