ニュース速報

ワールド

米中は経済戦争、北朝鮮巡り軍事的解決ない─バノン氏=メディア

2017年08月17日(木)20時17分

 8月15日、バノン米首席戦略官兼大統領上級顧問はメディアとのインタビューで、米国と中国が「経済戦争状態にある」との見解を示した。メリーランド州で4月撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[17日 ロイター] - スティーブン・バノン米首席戦略官兼大統領上級顧問は、米国と中国が「経済戦争状態にある」との見解を示した。米国は劣勢にあるものの、不公平な貿易慣行を巡り中国に攻勢をかけるとした。

バノン氏は16日に掲載された米ニュースサイトprospect.orgのインタビューで、「(米国か中国の)どちらかが25─30年の間に覇権を握る。このままではそれは中国になる」と発言。「われわれが負け続ければ、5─10年の間に回復不可能な地点に達するだろう」と述べた。

バノン氏は、中国で事業を展開する米企業からの技術移転を迫る中国の行為に対し通商法301条を適用し、また鉄鋼とアルミニウムのダンピング(不当廉売)について申し立てを行う方針を示した。

「中国は(米国と)経済戦争状態にあり、われわれを押しつぶそうとしているとの結論に至った。」と述べた。

同氏は通商政策を巡り米政権内の穏健派と対立していることを認めた。

中国は北朝鮮を抑えるためにさらなる行動は取らないとの見方を示し、中国の支援を引き出すために態度を軟化させる理由はないと指摘した。

このほか、トランプ米大統領が北朝鮮に対して「炎と怒りに直面する」と警告したこととは対照的に、バノン氏は北朝鮮問題の「軍事的な解決はない。忘れるべきだ」と強調。「(軍事作戦開始後)最初の30分間で1000万人のソウル市民が通常兵器による攻撃で犠牲にならない」と証明されない限り、軍事的手段は排除すべきとの考えを示した。

中国外務省報道官は定例会見で、報道は承知しているとした上で、米中の通商関係では相互利益が重要だとあらためて強調した。

報道官は「実際、米中の長期にわたる協力関係で、両国民は大きなメリットを享受している。偏見のない人なら、この事実は明らかなはずだ」と発言。

「我々は以前にも、貿易戦争は起きないと指摘した。貿易戦争は誰の得にもならない。貿易戦争に勝者はいない。関係各局が19世紀、20世紀的な精神構造で、21世紀の問題を眺めるのをやめることを期待する」と述べた。

*中国外務省のコメントを追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中東情勢深く懸念、エスカレーションにつながる行動強

ワールド

ウクライナ中部にロシアミサイル攻撃、8人死亡 重要

ワールド

パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、全員無事 警

ビジネス

英小売売上高、3月は前月比横ばい インフレ鈍化でも
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中