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トランプ米大統領、インタビューでの主な発言

2017年02月24日(金)14時13分

 2月23日、トランプ米大統領(写真)は、ホワイトハウスでロイターとのインタビューに応じ、核兵器能力や北朝鮮の核開発問題、中国の南シナ海での軍事施設建造や為替操作問題など、多岐にわたる問題について語った。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

[23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスでロイターとのインタビューに応じ、核兵器能力や北朝鮮の核開発問題、中国の南シナ海での軍事施設建造や為替操作問題など、多岐にわたる問題について語った。

インタビューにおけるトランプ大統領の主な発言は以下の通り。

<米国は核能力を拡大すべきとする12月のツイートについて>

われわれは核兵器能力において遅れを取っている。私は核のない世界を誰よりも見たいと思っている人間だ。しかし、それが友好国であっても、他国に劣るつもりは決してない。核兵器で後れを取ることは決してない。

確かに私はそうツイートした。核兵器をどこの国も持たなければ素晴らしいし、それが理想だ。だが各国が核兵器を持とうとするなら、われわれはその頂点に立つ。

<ロシアと締結した新戦略兵器削減条約(新START)について>

われわれが結んでいる他の協定と同じく、一方的な協定だ。決して許すべきではないことを与えてしまった。米国が行ったまずい協定の一つだ。

新STARTも、イランとの核合意も、かつて米国が結んだなかでひどい協定の1つだ。われわれの国はひどい協定しか結んでいない。良い協定を結んでいない。従って、私たちは良い協定を作り始める。

<ロシアが中距離核戦力全廃条約に違反して、巡航ミサイルを配備したことについて>

私にとってこれは大きな問題だ。(ロシアのプーチン大統領に)会ったら、これを取り上げる。この問題は大きい。なぜならわれわれが結んでいる条約に違反しているからだ。

<南シナ海における中国の軍事活動について>

中国と北朝鮮、そして他の国々の間で何が起きているのか、私は正確に把握している。しかし私は新聞で軍事戦略を語るのは好きではない。オバマ政権ではあったことだが、トランプ政権ではない。

許されるべきではなかったことがたくさん起きた。その一つが、南シナ海での大規模な軍事施設の建造だ。私が大統領に就任してからまだ4週間しかたっていないことを忘れないでほしい。これは3年前に始まったことで、当時の方がもっと有利に交渉できる立場にあった。そのことには不満がある。

<中国が為替操作をしているとみられることについて>

私は彼ら(中国)を為替操作のグランド・チャンピオンだと考えている。私は持論を引っ込めてはいない。どうなるかは今後分かる。

<中国が北朝鮮からの石炭輸入を禁止したことについて>

われわれはそれを評価している。(中国の)習近平国家主席との電話会談は非常に、非常に良いものだった。それは第一歩となる。

しかし世界は北朝鮮との間に非常に危険でとても大きな問題を抱えている。中国は北朝鮮に対し、この上ない影響力を持っていると思う。それを認めるかどうかは中国次第だが、この上ない影響力を持っている。中国にその意思があれば、この問題は非常に簡単に解決できると私は考えている。

<北朝鮮のミサイル開発について>

非常に危険であり、何年も前に対処されるべきだった。とても危険なだけでなく、非常に受け入れ難い。そして日本にとっては、とても不当な状況だ。

<日本と韓国のミサイル防衛システムを加速する協議について>

それ以上の話をしている。今後何が起きるか分かるだろう。しかし非常に危険な状況だ。私の考えでは、中国がそれをいとも簡単に終わらせることができる。ミサイル防衛は対処し得る多くの問題の一つだ。

<北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談する可能性について>

私は決してノーとは言わない。まだかなり先になるのではないか。現在の状況からすれば、まだ当分先のことだ。われわれは彼がしたことに非常に怒りを覚えている。オバマ政権で対処すべきだったというのが私の率直な意見だ。

<議会共和党が推進している国境調整税について>

(国境調整税は)米国で一段の大幅な雇用創出につながる可能性がある。国境で課税するという形は絶対に支持する。他の国もしているからだ。米国だけだ。米国は、国境税のない非常に数少ない国の一つ、ことによると唯一の国だ。

そして、これは消費者への課税ではない。消費者への課税というより、企業への課税、そして他の国への課税という側面が非常に強いからだ。これは他の国への課税だ。

そして、どういうことになるかというと、米国で製品をつくれば、税金はかかからない。これは忘れてはならない。このため、私は(国境調整税を)税金だとは思っていない。販売する製品を外国で買っている企業にとっては税金だ。

だが、米国で製品をつくれば、税金はかからない。このため、どういうことになるかというと、企業がここに戻ってくる。企業が工場を建て、多くの雇用を生み、税金がなくなる。

<法人税率の目標>

法人税を引き下げる。(法人税率の目標は)15━20%だ。他にも、非常に良いことをする。規制を徹底的に削減する。というのも、規制の上に規制が積み重なっており、様々な業界で、同じことに対して多くの規制にぶつかるからだ。収拾がつかなくなっている。この国の規制は収拾がつかなくなっている。米国で事業を始めることさえ難しくなっている。こうした多くの不要な規制を撤廃していく。

<税制改革とオバマケアについて>

法案を提出する。議会と協力して法律を制定する。まずヘルスケアに対処する義務がある。対処しなければならない。予算上の理由があるからだ。したがって、まずヘルスケアに取り組む。非常に順調に進んでいる。3月中旬までには、と言っておこう。

われわれには、実に素晴らしいヘルスケアのプランがあり、非常に多くの人に素晴らしい医療を提供できる。オバマケアがひどい代物であることも、忘れてはならない。これは機能していない。まるで機能しない。我々には、ずっと良いプランがある。人々が払うお金が減り、国が払うお金も減るプランだ。というのも、オバマケアはこの国にとって非常に高くつく。3月中に提出する。撤廃して、新しいものに取り替える形になる。税制改革はそのすぐ後に行う。

<経済と財政赤字について>

「経済に関しては、米国には働いていない人が1億人近くいる。私がきょう、大企業や製造業大手と行ったような会合、税制や規制改革を通じて経済を再び活性化させる。時間はかかるかもしれない。オバマ前大統領の下では、巨額の赤字が発生していた。景気活性化策の効果が出るまでは赤字は続くだろうが、ごく容易に対処できるようなものだ」

<メキシコ、NAFTA(北米自由貿易協定)について>

「メキシコとの貿易では700億ドルの赤字になっており、これは受け入れがたい。700億ドルという赤字に加えて、米国の雇用と企業の多くがメキシコに移転し、そこから米国に製品を輸出している。決して容認できない。メキシコと何らかの解決策を考えたい。できるかもしれないし、できないかもしれない。私が登場するまでは知られていなかったようだが、われわれには多くのことを実行する権利があるのだ」

<中東問題の「2国家解決策」について>

「2つの国家という概念での解決策が好ましい。長年議論されてきたが、解決はされていない。私は当事者双方が満足する解決策でよい」

<統治機関としての欧州連合(EU)を支持するか>

「支持する。私はEUとの間で非常に良い関係を築いている。私は英国がEU離脱を決定すると考えていたが、私は正しかった。EUに関しては、私は全面的に支持している。彼らがハッピーであるならば、それはすばらしいことだと思う。彼らがハッピーならば私も支持する」

<NATO各加盟国の軍事費をGDPの2%とする指針について>

「私が北大西洋条約機構(NATO)について初めて語った時のことを覚えているだろうか。私は相応の負担をしていないと指摘した。NATOについて初めて質問された時、私は、テロリズムに対応しておらず、時代遅れだと言った。NATOは今ではテロリズム対応の部門を開設している。これは私の影響によるものだ。NATOの専門家たちも『トランプは正しい』と言っている。私はNATOについてほとんど何も知らないというのにだ。(軍事費の対GDP比)2%は低い数字だ」

*内容を追加します。

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