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メイ英首相、EU離脱交渉で国内3つの自治政府と協議

2016年10月25日(火)10時53分

 10月24日、英国のEU離脱を巡り、スコットランドと北アイルランド、ウェールズの国内3つの自治政府の代表がメイ首相(写真)と会談した。ブリュッセルで21日撮影(2016年 ロイター/Eric Vidal)

[ロンドン 24日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡り、スコットランドと北アイルランド、ウェールズの国内3つの自治政府の代表が24日、メイ首相と会談した。

ブレグジットの手続きの中で各地域が果たす役割について議論し、メイ首相は3地域のブレグジットに関する意見を反映させるため、新たな委員会の設置を提案した。

委員会はブレグジット担当相のデービス氏をトップとし、スコットランドと北アイルランド、ウェールズの自治政府の代表も参加する。メイ首相の提案によると11月末までに最初の会合を持ち、クリスマスまでに少なくとももう一度集まるという。

専門家らは、メイ首相が国内の自治政府の見解を考慮せずに、ブレグジットの交渉を進めるならば、それは憲法上の大問題を引き起こす可能性があると警告している。

会談前に発表された声明でメイ首相は「英国は大変に重要な交渉に臨もうとしており、自治政府の交渉への参加は必須である」と強調した。

ブレグジットを巡ってはイングランドでは離脱支持が過半数だったが、スコットランドではEU残留を望む声が多数派だった。イングランドとの間の3世紀にわたる連合は危機に瀕している。

スコットランド自治政府のスタージョン首相は、ブレグジットに向けた交渉への「意味ある意見の反映」を期待するとし、スコットランドなど3地域にイングランドを加えた4つの議会が、今後提示される交渉パッケージについて、それぞれ投票できるようにすべきだとした。

スタージョン氏はこれまで、スコットランド自治政府はブレグジット後を見据えて、英国からの独立を含む全ての選択肢を検討しているとしてきた。

スコットランドと同じくEU残留を支持した北アイルランドでは、ブレグジットが1998年の北アイルランド紛争を巡る包括和平合意を無にし、アイルランドとの国境が再び不安定化するのではないかと懸念されている。

EU離脱派が多数だったウェールズ自治政府のジョーンズ首相は、自治政府がブレグジット交渉の中で前向きで活発な役割を担うことを期待すると強調。自身のツイッターで「もし英国政府が自治政府と折り合いをつけることができないのならば、EUの27カ国との間でブレグジットの交渉をうまく進めることは難しいだろう」とつぶやいた。

独立系シンクタンクのインスティテュート・フォー・ガバメントはリポートで「自治政府の反対(法律的に可能である)の中でブレグジットの交渉で合意するのは無謀な戦略だ」と指摘。「スコットランド、ウェールズ、北アイルランドを他のロビー団体や利益団体と同じように扱うことはできない。同じように自治政府は英国の議会の最終決定を尊重しなくてはならない」としている。

ロイター
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