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英、EU離脱見据えた動き活発化 9月上旬までに新首相選出へ

2016年06月28日(火)09時10分

 6月27日、国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決定した英国では、離脱を見据えた動きが活発化した。写真はキャメロン首相。ロンドンで同日撮影(2016年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 27日 ロイター] - 国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決定した英国では27日、離脱を見据えた動きが活発化した。与党・保守党はキャメロン首相の辞任表明を受け、9月上旬までに新首相が選出される見通しを明らかにした。

同党の議会における基本原則を定める「1922年委員会」のグラハム・ブレイディ委員長は、党首選を来週開始し、9月2日までに結論を下すよう委員会が提言したことを明らかにした。提言はそのまま受け入れられることがほぼ確実とみられる。

同委員長はまた、スカイニュースに対し、英国がEUからの離脱条件について交渉するよりも前に議会選挙を実施すべきではないと述べた。

スカイニュースは関係筋の情報として、スティーブン・クラブ雇用・年金相が出馬を検討していると報じた。

雑誌スペクテイターの編集者はツイッターで、ジェレミー・ハント保健相も党首選に出馬する公算が大きいとの見方を示している。

その一方で、キャメロン首相の後任選びで最も注目を集めているのは、EU離脱派を率いてきたボリス・ジョンソン前ロンドン市長だ。ブックメーカー(賭け業者)も最有力視しているが、保守党内にはかつての盟友であるキャメロン首相を裏切りEU離脱派に回ったとして、「反ボリス派」も多いと伝えられている。

調査会社ユーガブが27日に公表した世論調査によると、一般市民および保守党支持者の双方の間で最良の首相になりそうな候補としてジョンソン氏を上回る人気を集めたのはテレサ・メイ内相だった。

キャメロン首相の報道官は、キャメロン氏は後継に関して特定の候補者への支持は表明しない立場だと述べた。

一方、キャメロン首相は、閣僚らに一致協力を呼び掛けつつ、離脱や離脱後の将来の選択肢について助言する、公務員を配置した独立ユニットを設置した。

首相は議会に対し「今回の決定をわれわれが実行する上で困難に直面することは疑いようもないが、海外で尊敬され、国内で寛容であり、世界に関与したいと願う英国のビジョンを堅持すべきだと私は信じる」と述べた。

国民投票のやり直しの可能性については、23日の投票の結果を受け入れるべきだと述べ、否定的な見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
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