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欧州結束の幻想捨て現実直視を、EU大統領が懐疑派台頭に危機感
5月30日、欧州連合のトゥスク大統領は、欧州結束との幻想を促進しようとする首脳は一般市民の声に耳を傾けておらず、分裂を目指す欧州懐疑派に敗れてしまう恐れがあるとの認識を示した。写真はニコシアで15日撮影(2016年 ロイター/Yiannis Kourtoglou)
[ルクセンブルク 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)のトゥスク大統領は、欧州結束との幻想を促進しようとする首脳は一般市民の声に耳を傾けておらず、分裂を目指す欧州懐疑派に敗れてしまう恐れがあるとの認識を示した。
メルケル独首相、ユンケル欧州委員長も出席した中道右派グループ、欧州人民党(EPP)の会合で演説した。EPPは欧州議会最大の勢力で、欧州統合の支持者が多い。
トゥスク氏は「国境なき欧州、利害対立なき欧州などといった理想郷を前に、現実を直視することがわれわれの責任だ」と指摘。
「早期の完全な統合といった構想にとらわれれば、欧州市民の声を見落とすことになる。彼らは現実により上手く対応することをわれわれに要求している」とし、欧州懐疑派がこうした幻想の代替になっているとの考えを示した。
英国のEU離脱問題では、欧州統合への懸念が争点となっているほか、トゥスク大統領の出身国ポーランドでも、自身が所属する中道右派が昨年の選挙で欧州懐疑派に敗れている。
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