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ASEAN経済見通し、内需けん引国に明るさ=ムーディーズ
3月22日、ムーディーズは、今後2年間のASEAN加盟国の経済成長見通しは国によって異なると予想し、国内市場に特化したインドネシアとフィリピンは足元がしっかりしていると述べた。写真は各国の国旗とASEANのロゴ、クアラルンプールで2015年11月撮影(2016年 ロイター/Olivia Harris)
[香港 22日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日、今後2年間の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の経済成長見通しは国によって異なると予想し、国内市場に特化したインドネシアとフィリピンは、貿易依存型の近隣のアジア諸国と比べ、足元がしっかりしていると述べた。
同格付け会社の慎重な見方は、特にアジア新興国市場に今後数年間、世界成長のけん引役を期待する各国政策決定者に対する警告とも受け取れる。
ムーディーズは、長引く世界貿易の低迷は改善する兆候を見せておらず、アジアの輸出型市場の見通しは暗さを一層増していると指摘した。
「ASEANの主要輸出国であるシンガポール、マレーシア、およびタイの16─17年成長は、インドネシアやフィリピンなどの国内需要がけん引する経済と比較し、弱さが続く見通し」と、シニア・リサーチ・アナリストのラウル・ゴーシュ氏は述べた。
ASEAN諸国のなかで、輸出と輸入を合計した貿易総額で1─3位を占めるのはシンガポール、マレーシアとタイだが、輸出経路を通じた鈍化と投資の低下の影響を最も被るのも同3カ国だ。
同3カ国では家計の負債水準も高い。
経済成長の鈍化に伴い、アジアの中央銀行は金融緩和の方向に傾いている。インドネシア中央銀行は先週、政策金利を25ベーシス・ポイント切り下げ、6.75%とした。利下げは今年に入って3回目となる。