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オバマ米大統領、サウジ国王と会談へ イラン問題で懸念解消狙う

2015年09月03日(木)14時31分

 9月2日、オバマ米大統領は訪米するサウジアラビアのサルマン国王と4日に会談し、イランの核開発の脅威に対して米国が支援する姿勢を明確にする。写真はラスベガスで8月撮影(2015年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 2日 ロイター] - オバマ米大統領は訪米するサウジアラビアのサルマン国王と4日に会談し、イランの核開発の脅威に対して米国が支援する姿勢を明確にする。ホワイトハウス高官が2日明らかにした。最近のイラン核合意を受け、湾岸諸国の間ではイランの勢力が増すことへの懸念が高まっている。

サルマン国王にとっては1月の即位後初の訪米となる。大統領はこの会談で、アラブの重要な同盟国であるサウジに対し、イランの経済制裁解除が地域の不安定化につながるとの懸念を和らげることを狙う。

ベン・ローズ米大統領副補佐官は記者団に対し、「制裁緩和で経済が改善するイランがどのような行動に出るのか、サウジが懸念を抱くのは理解できる」と述べた。

副補佐官は、凍結解除される資産をイランが「非道な活動」に使う可能性はあると認める一方で、イランの近隣諸国への脅威に対抗するため、米国は「可能なあらゆる手段」を行使すると、大統領は表明する考えだと述べた。

サウジなどイスラム教スンニ派主体の湾岸諸国は、シーア派主体のイランと歴史的に対立しており、最近ではイエメン、シリア、イラクなどに広がる戦闘をイランが背後で煽っていると批判を強める。

オバマ政権は5月にキャンプデービッドで開いた湾岸協力会議(GCC)加盟国首脳との会議で、米国の支援提供を約束している。ただ、サルマン国王はこの会議を欠席し、米国のイラン政策に抗議の意を示したと受け止められた。今回の訪米を機に、オバマ政権は緊張が続いたサウジとの関係を修復したい意向とみられる。

ロイター
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