FRB、金利据え置き「当面」適切 物価見通しにリスク=バー理事
写真は米連邦準備理事会(FRB)のバー理事。ワシントンで2023年5月撮影。REUTERS/Evelyn Hockstein
Michael S. Derby
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバー理事は17日、米国のインフレ見通しにはなおリスクが残っているとの認識を示し、FRBの追加利下げは「かなり先」になる可能性があると述べた。
バー氏はニューヨーク・ビジネス経済協会主催のイベント向けの講演で「現況や手元にある経済指標に基づくと、今後入手される指標のほか、見通しの変化やリスクバランスを見極めながら、当面は政策金利を据え置くことが適切になる可能性が高い」と指摘。「現時点での金融政策の賢明な方針は、状況の変化を見極めるために必要な時間を確保することだ」とし、「労働市場が安定していることを踏まえ、追加利下げを検討する前に、モノ(財)の価格上昇が持続的に低下しているという証拠を確認したい」と述べた。
物価情勢については、インフレ要因になってきた関税による圧力が緩和すると予想するのは合理的だが、価格圧力を巡る状況はなお懸念されると言及。「インフレ率が高止まりすると懸念する理由はたくさんある」とし、「インフレが(FRBが目標とする)2%を上回り続けるリスクは大きく、警戒を怠ることはできない」と語った。
一方、労働市場は安定化したとし、こうした状況はこのところの経済指標でも確認されていると指摘。同時に、雇用情勢は「微妙なバランス」にあるとし、「労働市場はマイナスの衝撃にぜい弱になる恐れもある」とも述べた。
人工知能(AI)については、労働市場に一定の影響を及ぼしているように見えるものの、現時点では全体として雇用水準を押し下げる主要因にはなっていないと言及。「広い視点で見れば、AIは従業員の解雇ではなく、企業内で従業員の再配置につながっているという証拠がある」と述べた。同時に「長期的に社会に大きな利益がもたらされる可能性があるとしても、短期的には労働市場に深刻な混乱が生じる可能性に対して備えなければならない」と語った。
その上で、AIの普及は将来的にFRBの政策判断にも影響を及ぼす可能性があると指摘。ただ「長期的にはAIで生産性と生活水準が引き上げられると予想している。AIブームが利下げの理由になることは考えにくい」と述べた。ただ、AIが経済に構造的な変化をもたらしているのか、それとも循環的な変化をもたらしているのかをFRBが知るのは難しいとした。
また、FRBが金融政策で何をしているにせよ、AI分野に注がれる投資の針を動かしてはいないとも指摘した。「現在のAI投資について私が感じるのは、FRBが金利をどこに設定するかに全く無関心だということだ」とし、FRBが利上げに踏み切ったときも利下げに転じたときも、このセクターへの投資は急増しており、業界に勝者総取りの考え方があるとの見方を示した。
FRBは1月の会合で政策金利を3.50─3.75%に据え置くと決定。これに先立ち昨年9月から12月にかけて3会合連続で0.25%ポイントの利下げを決定していた。
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