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日産、欧州統括会社で87の全職位を見直し 組織を効率化=社内文書

2025年11月14日(金)11時44分

写真は日産のロゴ。ジャパン・モビリティショー2025の会場で10月撮影。REUTERS/Issei Kato

Daniel Leussink

[東京 14日 ロイター] - 日産自動車が、フランスにある欧州統括会社の欧州日産で87ある職位を見直し、組織を効率化することが分かった。社内の文書やメールをロイターが確認した。同社が進めている再建計画の一環。

欧州日産は欧州、アフリカ、中東、インド、オセアニア地域の販売や生産を管理。職位は87あり、10月に労働組合と見直しで合意した時点で64に社員が配置されていた。見直しの大半はマーケティングと販売部門となる見込み。併せて、34の職位を新たに設ける予定で、ポストが削減された社員の異動先になり得る。

今月12日の社内ミーティングに出席した関係者によると、地域責任者のマッシミリアーノ・メッシーナ氏は「単に無駄を削減するだけではない」と述べ、筋肉質になる必要性を訴えたという。

社内文書によると、見直しは段階的に実施する。まず希望退職者を募り、希望退職者の数が目標に達しない場合、来年2月上旬から削減が始まる見通し。

社内異動を選んだ社員には5000ユーロ(日本円換算で約90万円)の一時金を支給する。転職を選択した場合は、再就職や研修などの支援、年齢に応じて最長2年間の再雇用休暇を付与する。

日産広報は、ロイターの取材に対し、欧州の経営陣と従業員代表が合意に達し、組織の変更を社内で発表したことを認め、「この決定はきょうのビジネス環境の現実を反映し、日産の特定の課題に対処する必要性によって推進されている」とコメント。この変更には役割の簡素化と一部の管理層の削除が含まれ、組織全体の効率が向上したという。

日産は2025年3月期の連結純損益が6708億円の赤字(前の期は4266億円の黒字)と4期ぶりの最終赤字へ転落。世界で従業員2万人の削減や車両工場を17から10に減らす再建計画を進めている。26年3月期は再建計画に伴う費用を算定中であることを理由に純損益予想は非開示のまま。米関税政策の影響が重くのしかかり、営業損益は2750億円の赤字(前年は697億円の黒字)となる見通し。

ロイター
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