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午後3時のドルは154円後半で9カ月ぶり高値、上値試し機運 円安けん制も

2025年11月12日(水)15時57分

 11月12日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の154円後半で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

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Atsuko Aoyama

[東京 12日 ロイター] -  

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の154円後半で推移している。米政府機関の閉鎖解除が近づき、心理的な節目である155円に向けて上方向を目指す機運が高まっており、新規材料がない中で直近の高値を上抜けて9カ月ぶり高値を更新した。ただ、片山さつき財務相から円安けん制と受け止められる発言が出たことで、上昇がいったん一服した。

ドルはこのところ154円半ばで上値が抑えられる値動きが続いており、きょうの朝方も154.40円台で上昇が一服していたものの、午後に入って上値抵抗線として意識されていた154円半ばを上抜けると上昇が加速。一時154.79円まで上げ幅を広げ、2月12日以来9カ月ぶり高値を付けた。その後、片山さつき財務相の円安けん制発言で上昇は一服したものの、引き続き高値圏での推移となっている。

ユーロ/円も179.14円まで買われ、ユーロ導入以来の最高値を更新。豪ドル/円は101円台に乗せ、昨年10月末以来の高値を付けた。

新規材料は見当たらず、「直近の高値を抜けたことでストップロスを巻き込んだ可能性がある」(国内銀行のストラテジスト)として、フロー主導の動きとの見方が聞かれた。

米政府機関の閉鎖が解除されるとの見通しで、「上値試しの機運が高まりやすかった」(上田東短フォレックスの阪井勇蔵・営業企画室室長)との声がある。ストップロスのほか、時間外取引の米金利上昇もドル買いを加速させた背景として指摘されている。

片山さつき財務相は12日午後の参院予算委員会で、円安は日本経済に「プラスとマイナスがあるが、マイナス面が目立ってきたところがあるのは否定しない」と語った。「足元は為替の一方的で急激な動きがみられる」とし「政府としては投機的な動向も含め、為替の過度な変動や無秩序な動きについて、高い緊張感を持って見極めているところだ」とも述べ、円安けん制発言と受け止められた。

ユーロ/円の最高値更新など、為替相場の動きに「仕掛け的な要素が強く、そろそろ強めにけん制をしようということだろう」(上田東短の阪井氏)との声が聞かれる。欧州時間になりドル高/円安方向に動意づけば、円安けん制への思惑も入り、ドル/円は上下する可能性があるとみられるという。

  ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 154.62/154. 1.1576/1.15 179.02/179.

66 77 03

午前9時現在 154.06/154. 1.1586/1.15 178.53/178.

10 88 54

NY午後5時 154.15/154. 1.1580/1.15 178.53/178.

17 84 57

ロイター
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