ニュース速報
ビジネス

カナダ防衛・建設株に追い風 政府の国防費拡大やインフラ計画で

2025年10月07日(火)14時28分

 10月7日 カナダ政府が国防費拡大と大型インフラ計画の加速を打ち出したことで、投資家は同国の防衛、建設、鉱業株が恩恵を受けると予想している。写真はトロント証券取引所。2017年7月、トロントで撮影(2025年 ロイター/Chris Helgren)

Fergal Smith

[トロント 6日 ロイター] - カナダ政府が国防費拡大と大型インフラ計画の加速を打ち出したことで、投資家は同国の防衛、建設、鉱業株が恩恵を受けると予想している。

こうしたセクターの企業の一部は今年、既に市場全体をアウトパフォームしており、中でも宇宙・防衛大手ボンバルディアの株価は2倍以上に上昇した。

カーニー首相は、北大西洋条約機構(NATO)が定める対国内総生産(GDP)比2%の国防費を、約束より5年前倒しして今年度に達成すると表明している。

ペンダーファンド・キャピタル・マネジメントのグレッグ・テイラー最高投資責任者は「カナダはNATOの(国防)支出に全面協力する構えのようだ。これは国防支出に関連する多くの企業にとって朗報になるだろう」と述べた。

カーニー氏はまた、経済を多様化し米国依存を減らすキャンペーンの一環として、天然ガス生産や鉱山、大型コンテナ港の拡大を含め、迅速承認するプロジェクトを列挙している。

ファースト・アベニュー・インベストメント・カウンセルの最高投資責任者、ブライアン・マッデン氏はこうした姿勢を見て、「可能な限り国内に投資をとどめる」方針だと話した。

カナダ政府は2035年までに対GDP比5%の新規国防投資を行うNATOの方針にも合意した。

ストーンヘイブン・ウェリントン・アルタス・プライベート・カウンセルのポートフォリオマネージャー、ビクター・クンツェビツキー氏は「素材セクターが最大の受益者となるだろう」と予想。「カナダのNATOに対するコミットメントの中身を読むと、大部分が鉱業分野、特に軍事・産業複合体に必要な金属資源だ」と指摘した。

投資家によると、インフラプロジェクトの評価プロセスが合理化されれば、アトキンスリアリス・グループやWSPグローバルといった建設・エンジニアリング企業の見通しも明るくなりそうだ。重機メーカーのトロモント・インダストリーズやウラン生産のカメコ・コーポレーションも恩恵を受ける可能性があるという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英ITV、テレビ放送事業をスカイに21億ドルで売却

ビジネス

KKR、第3四半期利益が予想上回る クレジット主導

ワールド

豪経済、生産能力なお逼迫と中銀副総裁 利下げ余地限

ワールド

台湾、孤立せず友人増えてる 欧州から帰着の蕭副総統
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中