ニュース速報

ビジネス

ECBの最終金利水準、市場予想上回る可能性=ベルギー中銀総裁

2023年02月04日(土)01時18分

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は3日、基調的なインフレが鈍化しない限り、ECBは3月以降も利上げを継続し、政策金利が市場予想を上回る水準まで引き上げられる可能性があると述べた。2022年7月撮影(2023年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は3日、基調的なインフレが鈍化しない限り、ECBは3月以降も利上げを継続し、政策金利が市場予想を上回る水準まで引き上げられる可能性があると述べた。

ECBは2日の理事会で政策金利を0.5%ポイント引き上げ3%とした。利上げは5会合連続。3月にも0.5%ポイントの追加利上げの方針を示し、高インフレとの戦いを続ける道筋を再確認した。

ただ、市場の利上げ期待は依然として縮小。ECBは3月の理事会後の措置についてガイダンスを示さなかったため、市場ではECBのコミットメントが揺らいでいると受け止められている。

ウンシュ総裁は、前日の理事会の決定は「タカ派的」であり、ECBはインフレの動向に応じて5月以降も利上げを継続する可能性があるとし、市場の判断は誤りだと指摘。利上げ幅が3月の「0.5%ポイントからゼロになるとは思えない。0.5%ポイントかもしれないし、0.25%ポイントかもしれない。0.5%ポイントを排除するつもりはないが、データ次第だ」とした。

さらにコアインフレ率が5%に近づく勢いが見られれば「私にとってのターミナルレート(政策金利の最終到達点)は最低でも3.5%だ」と言及。「ただデータ次第であり、どのような水準も示したくはない」と語った。

市場は7月までに3.35%でピークを付けるとの見方を織り込んでいる。

ウンシュ総裁は「米英の政策金利は明らかに4%を超えており、参考になる」とし、コアインフレ率がほぼ同水準なのにもかかわらず、ECBの政策金利が3%にとどまると考えるのは疑問と主張。「4%にする必要があるとは言っていない。ただ、今後入手されるデータが非常に粘り強いコアインフレを示し続けるなら、米英がインフレ率を2%に回帰させるのに十分制約的な金利と考えている水準を見なければならないだろう」とした。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中