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NY外為市場=ドル上昇、FOMC控え

2023年01月31日(火)06時34分

終盤のニューヨーク外為市場では、今週予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えドルが上昇した。一方、予想を上回るインフレ指標を受けユーロが買われる場面もあった。(2023年 ロイター/Rick Wilking)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、今週予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えドルが上昇した。一方、予想を上回るインフレ指標を受けユーロが買われる場面もあった。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、今週のFOMCで0.25%ポイントの利上げが見込まれているにも関わらず、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長は金融情勢の緩和に反論しなければならず、「難しい立場に立たされている」と述べた。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FF金利が現時点の4.33%から6月に4.94%でピークを付け、その後12月までに4.53%に引き下げられるとの見方が織り込まれている。これは、インフレ抑制に向け一定期間、金利を制約的な領域に維持する必要があるとのFRB当局者の発言とは対照的で、リセッション(景気後退)懸念により、FRBがよりハト派的な政策に軸足を移すとの市場関係者らの見解が一因になっている。

FRBが引き締めサイクルの終わりに近づいているとの見方を背景に、ドル指数は昨年9月28日に付けた20年ぶりの高値114.78から102.27まで軟化。ただ、ユーロなど主要通貨に対するテクニカル上のサポートラインが支えとなり、ここ数週間はほぼレンジ内で推移している。

チャンドラー氏は、今問われているのは「ドルが反発するのか、それとも次の下げ局面前のもみ合い状態なのか」ということだ述べた。

TDセキュリティーズのストラテジストは、ドル相場を押し上げるにはより強力な経済的モメンタムが必要かもしれないと言及。「ドル反転のきっかけにはより強力なデータが必要だろう」とした。

ユーロ/ドルは0.22%安の1.0844ドル。スペイン国家統計局(INE)が30日に発表した1月の消費者物価指数(CPI)速報値が、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比5.8%上昇と、12月(5.5%上昇)から伸びが加速し、ロイターがまとめたアナリスト予想(4.7%上昇)を上回ったことを受け、ユーロは序盤に上昇した。

ノルデアのチーフアナリスト、ニルス・クリステンセン氏は、スペインのCPIは「ECBが2月2日の理事会で0.50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定し、追加利上げを示唆するとの見方を裏付ける」とした。

ドル/円は0.57%高の130.53円。

経済界や学識者でつくる「令和国民会議」(令和臨調)共同代表を務める佐々木毅・元東京大学総長らは30日、政府・日銀が2013年にまとめた共同声明(アコード)の見直しを提言した。2%物価安定目標について、早期実現ではなく長期の目標と新たに位置づけることなどを盛り込んだ。

豪ドル/米ドルは0.75%安の0.7056米ドル。ただ、月間では約3.5%高となる勢い。オーストラリア連邦統計局が25日発表した2022年第4・四半期のCPIは前年比7.8%上昇と、伸びは前期の7.3%から加速し、33年ぶりの大きさとなった。これを受け、豪準備銀行(RBA)が2月7日の会合で0.25%ポイントの追加利上げを実施するとの見方が強まった。

ポンド/ドルは2日に予定されているイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC)を控え0.43%安の1.2345ドルとなった。

英中銀およびECBはともに今週、0.50%ポイントの利上げを決定すると見込まれている。

ドル/円 NY午後4時 130.47/130.52

始値 130.17

高値 130.59

安値 129.98

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0844/1.0848

始値 1.0895

高値 1.0910

安値 1.0840

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