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アングル:韓国・台湾株は来年上昇か、大手行が軒並み強気見通し
大手銀行の間で韓国と台湾の株式に対する強気の見方が広がりつつある。半導体市況の復活を背景に、来年は株価が上昇するとの読みだ。写真は銀行の為替ディーラー。2015年8月、ソウルで撮影(2022年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[1日 ロイター] - 大手銀行の間で韓国と台湾の株式に対する強気の見方が広がりつつある。半導体市況の復活を背景に、来年は株価が上昇するとの読みだ。日本株についても、円安などを支えに底堅い展開を予想する声が聞かれた。
足元を見ると、米国の金利はなお上昇中で、世界のほとんどの株式市場は2008年の金融危機以降最悪のリターンを記録しようとしている。半導体メーカーの利益も急降下が続く。
しかしゴールドマン・サックスは、韓国株を来年の「反発候補」筆頭に挙げた。バリュエーションが低く、韓国ウォンの急落で割安感が生まれている上に、韓国企業は中国の需要回復の恩恵を受けると指摘。来年のドル建てリターンを30%と予想する。
モルガン・スタンレーは、台湾とともに韓国の株式が投資先として最適だとの見方を示した。両市場とも需要回復期において先行的な値動きをすると評価されているからだ。
バンク・オブ・アメリカ、UBS、ソシエテ・ジェネラル、ドイツ銀行の資産運用部門DWSも韓国株に強気姿勢。DWSのアジア太平洋最高投資責任者ショーン・テイラー氏は「半導体分野では需要は来年第1・四半期に底打ちするはずで、市場は常に底打ち前から動意づき始める」と述べ、ここ数カ月で韓国株の投資比率を引き上げたと付け加えた。
テイラー氏によると、韓国株は8月と9月に売られ過ぎたという。
韓国株のKOSPI指数は年初来で約17%、韓国ウォンは9%それぞれ下落している。ただいずれも最近数カ月で持ち直す兆しが見えてきた。
ゴールドマンは、韓国株の外国人保有比率が5年にわたる売りによって09年以来の水準まで低下したものの、6月末以降でおよそ60億ドルが流入した点にも着目し、これは外国人の投資意欲が上向きに転じた表れで、一段の株高につながってもおかしくないとみている。
モルガン・スタンレーは、汎用の価格が安い半導体や消費財向けの半導体のメーカーに関して最も強気の見方をしており、サムスン電子やSKハイニックスなどがこれに該当する。同社が設定したSKハイニックスの株価目標は、今の水準より50%前後も高い。
<日本株にも期待>
台湾株は韓国株と同様にこれまで大きく売り込まれ、半導体セクターのウエートが大きいというのが主な特徴だが、対中国関係の緊張という要素から一部の投資家は、韓国株に比べて幾分慎重になっている。
ゴールドマンは、地政学リスクを理由として台湾株の投資判断をアンダーウエートとしている。バンク・オブ・アメリカは中立。同行が実施した直近の機関投資家調査では、台湾株には弱気との姿勢が示された。
こうした中で、半導体セクターへの投資先となり、円安という追い風もあるのが日本株だ。バンク・オブ・アメリカのアナリストチームは、過小評価状態にとどまったままである点などから日本株のオーバーウエートを推奨。モルガン・スタンレー、DWS、UBS、ゴールドマンも日本株には明るい見方で、特に来年後半に資金流入が期待されている。
(Harish Sridharan記者)