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米経済活動、横ばいから小幅拡大 企業の見通しより悲観的=連銀報告
米連邦準備理事会(FRB)は30日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、10月中旬から11月下旬までに米経済活動がほぼ横ばいから小幅な拡大にとどまり、根強いインフレや労働力不足を巡りさまざまなシグナルが示されたという認識を示した。2019年撮影(2022年 ロイター/Leah Millis)
[30日 ロイター] - 米米連邦準備理事会(FRB)は30日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、10月中旬から11月下旬までに米経済活動がほぼ横ばいから小幅な拡大にとどまり、根強いインフレや労働力不足を巡りさまざまなシグナルが示されたという認識を示した。
FRBが景気後退を引き起こさずにインフレ抑制しようとする中で、企業の今後の見通しはより悲観的だった。
FRBはベージュブックで「金利とインフレは引き続き経済活動の重しとなっており、多くの情報筋が先行きについてより大きな不安や悲観的な見方を示した」とした。さらに「インフレは今後、安定的に推移、もしくはさらに鈍化する」と予想した。
今回の報告書は、感謝祭前の11月23日までに入手した情報に基づきボストン地区連銀が作成した。
経済活動は約半数の地区で非常に緩やかな上昇を示したが、残る約半数では横ばいか、小幅から緩やかな減少を示した。
物価上昇圧力について 、全般的に上昇は鈍化していると報告された中でも「消費者物価はほとんどの地区で緩やか、または強いペースで上昇した」とし、「インフレ率は今後、安定的に推移するか、さらに緩やかになると予想される」と記した。
労働市場でも同様に「採用と雇用維持の困難さはさらに緩和されたが、労働市場は依然、逼迫しているとされた」とまちまちの状況が示された。賃金圧力は緩やかに上昇したが、いくつかの地区では緩和が見られたとした。
クリーブランド地区連銀の管内では活動の弱まりが見られたが、インフレ率がFRBの目標に戻ると確信して金利を安定させるのに必要な労働需要の緩和までは至っていないとした。「企業活動はここ数週間、非常に緩やかに減速した」としつつ、「それでも引き続き企業は雇用を増やし、厳しい労働者獲得競争が賃金に上昇圧力をかけた。投入コストの上昇は依然として広範囲に及んでいる」と指摘した。
この内容は、30日に発表された10月の求人件数は減少したものの、高水準にとどまったのと一致する。2022年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値の伸び率は速報値を上回った。
FRBが基準とするフェデラルファンド(FF)金利は現在3.75─4.00%で、来月のFOMCで50ベーシスポイント(bp)の引き上げを決めることが見込まれている。
*システムの都合で再送します。