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米新規失業保険申請21.9万件、予想より増加 ハリケーンが影響

2022年10月07日(金)01時49分

米労働省が6日に発表した10月1日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万9000件増の21万9000件だった。(2022年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日に発表した10月1日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比2万9000件増の21万9000件だった。増加件数は6月以降で最大。9月後半にハリケーン「フィオナ」の被害に見舞われたプエルトリコで申請件数が急増した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想の20万3000件より多かった。金利上昇を背景に労働需要が鈍化する中でも、労働市場は引き締まった状況が続いている。

前週分は、当初発表から3000件下方改定された。

9月末にフロリダ、ノースカロライナ、サウスカロライナ各州に大きな被害をもたらしたハリケーン「イアン」の影響で、今後数週間の申請件数が不安定になる可能性がある。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「失業保険申請件数から労働市場がどの程度冷え込んでいるかを評価するのは難しく、ハリケーン『フィオナ』と『イアン』の影響で数週間は予測しづらい状態が続くだろう」と述べた。

調整前の申請件数は1万3264件増加し16万7083件となった。プエルトリコの申請件数が3917件増加。全体の約30%を占めた。プエルトリコが占める割合は通常1%未満。

マサチューセッツ州では2206件、ミズーリ州では3749件それぞれ増加した。一方、フロリダ州では1409件減少した。申請件数は通常、災害のさなかには減少し、その後増加する。

JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「申請件数はプエルトリコで大幅に増加しており、ほぼ間違いなくハリケーン『フィオナ』の影響を反映しているが、おそらく一時的なものだ」と指摘。「『イアン』も長期にわたり申請件数に影響を与えるだろう」と述べた。

労働市場はおおむね弾力性があるものの、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを強める中でいくらかの亀裂が入りつつある。

チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米国に拠点を置く企業が9月に2万9989人減らし、削減人数は前月比46.4%急増。前年同月比は67.6%増え、特に小売業の増加が目立った。ただ、今年に入ってからのレイオフは2021年1―9月と比較して21%減。雇用主は9月に38万0014人の雇用計画を発表したが、9月としては11年以降で最小だった。

9月24日までの1週間の継続受給件数は前週比1万5000件増の136万1000件だった。

ロイター
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