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グラブは大規模人員削減想定せず、専門分野で採用継続=COO

2022年09月26日(月)10時55分

東南アジア最大の配車・宅配サービス企業グラブ・ホールディングスは、ライバル企業が実施したような大規模な人員削減は想定していない。COOが明らかにした。写真は、同社のロゴ。2019年3月21日にシンガポールで撮影。(2022年 ロイター/Anshuman Daga)

[シンガポール 25日 ロイター] - 東南アジア最大の配車・宅配サービス企業グラブ・ホールディングスは、ライバル企業が実施したような大規模な人員削減は想定していない──。アレックス・ハンゲート最高執行責任者(COO)はロイターのインタビューでこう断言した。1月にグラブに加わったハンゲート氏が単独取材に応じたのは今回が初めて。

ハンゲート氏は、今年に入ってグラブは世界的な景気後退(リセッション)を心配し、採用活動については「非常に慎重かつ思慮深く」進めてきた結果、採用凍結もしくは大規模なレイオフが絶対に必要な状況になっていないと説明。「年央当たりにわれわれは幾つかの組織再編を行った。他社が大がかりなレイオフに動いたのは承知しているが、われわれはそうしたカテゴリーにあるとは見ていない」と語った。

また「採用のハードルが切り上がってきているのは間違いない」と断りつつも、データ分析やマッピング技術、その他の専門分野で採用を続けていると明らかにした。

グラブの昨年末時点の従業員数は約8800人。

新型コロナウイルスのパンデミックは、巣ごもり需要という形で宅配サービスに追い風をもたらした半面、配車サービスに打撃を与えた。その後経済活動が再開するとともに宅配需要は鈍化している一方、配車サービスはまだ完全に立ち直っていない。

また世界的にハイテク企業の企業価値は劇的に目減りし、インフレや成長減速、金利上昇などが業界のリスクとして浮上。ここ数週間では、東南アジア最大の電子商取引企業ショッピーがさまざまな国で人員を削減し、一部の海外事業閉鎖に動いた。親会社のシーが赤字拡大などを発表したことが原因だ。

こうした中でグラブも黒字化を急ぎ、ハンゲート氏は利益率の低い事業から撤退する取り組みで主導的な役割を担っている。

グラブは先月、生鮮食品の配送拠点である「ダークストア」数十カ所の閉鎖と、料理のネット注文専用の「クラウドキッチン」の展開ペースを落とす方針を表明。ハンゲート氏は、金融サービス部門でも戦略的な狙いを絞り込む作業に従事していると述べた。

ロイター
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