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米上院、パウエルFRB理事の次期議長就任を承認
1月23日、米上院は、連邦準備理事会(FRB)の次期議長にパウエル理事(写真)が就任することを賛成多数で承認した。2017年11月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)
[ワシントン 23日 ロイター] - 米上院は23日、連邦準備理事会(FRB)の次期議長にジェローム・パウエル理事(64)が就任することを84対13の賛成多数で承認した。任期は2月上旬から4年間。
パウエル氏は2012年から理事を務めており、イエレン現議長の路線を踏襲するとみられている。
FRB議長の最近の承認投票では、これまでで最も一方的な結果となった。パウエル氏の超党派的な訴求力に加え、2007―09年の金融危機やリセッションへのFRBの積極的対応を巡る緊張が徐々に和らいでいることが浮き彫りとなった。
これらの政策に関する議論を背景に、2013年のイエレン氏に対する投票は56対26と今回よりも僅差だった。バーナンキ氏の2期目は70対30だった。
上院銀行委員会のクラポ委員長(共和党、アイダホ州)はパウエル氏について「安全で健全な金融システムを確実にすることに主眼を置き、活力があり成長を続ける経済を支援するだろう」と予想。「規制の適正化や不要な負担の軽減などにおいて鍵となる役割を果たす見込みだ」と述べた。
パウエル氏は、金利上昇やバランスシートの縮小に向け安定軌道上にある金融政策を引き継ぐことになる。ただFRB内では、インフレに対するアプローチ再考の必要性や、大規模な税制改革による経済への影響に関して意見対立が起きつつある。
同氏は、金融危機後の一部規制の緩和を求めるトランプ政権からの要請にどこまで対応するか、かじ取りを迫られる。
トランプ政権の規制緩和要請に応じる可能性が、パウエル氏への最も厳しい反発を招いている。同氏は経験を積んだ経済学者ではなく、投資会社カーライル・グループの元幹部で、市場への理解の深さ故にFRB理事としての信頼を得てきた。
民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は「ウォール街の言うことを拒否できるFRB議長が必要なのであって、それはパウエル理事ではない」と主張した。
パウエル氏への反対票には民主党と、一部の共和党保守派からの票が含まれている。
同氏は11月にトランプ大統領から次期議長に指名された。金融政策に関する意見はイエレン議長と似ており、この人選が議論を呼ぶことはなかった。指名承認公聴会でパウエル氏は、将来の問題に対し、必要があれば「断固とした対応をする」と発言した。
パウエル氏は理事就任以来、金融政策決定において反対票を投じたことはないが、最近公表されたFOMCの記録によると、12年に決定された量的緩和第3弾(QE3)の支持に難色を示していた。
パウエル氏への投票結果は当初85対12だったが、民主党の有力議員ダイアン・ファインスタイン氏が後に反対に転じた。同氏からのコメントは得られていない。
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