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NY市場サマリー(18日)

2018年01月19日(金)08時03分

[18日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、米議会で政府機関閉鎖の回避に向けたつなぎ予算案を巡る情勢が不透明となるなか、ドルがユーロ、円、英ポンドなどの主要通貨に対して売られた。

アナリストはつなぎ予算が19日までに承認されなければドルの地合いは一段と悪化すると指摘。BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)の外為戦略部門責任者、ボリス・ショロスバーグ氏は「政治が経済を妨害している。(予算を巡る)合意がなければドルは一段の圧力にさらされる」と述べた。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.44%安の90.513。前日は90.104と3年ぶり低水準を付けていた。

ユーロ/ドルは0.48%高の1.2242ドル、ドル/円は0.23%安の111.02円となっている。

米アップルは前日、海外で保有しているキャッシュを還流させ、約380億ドルの税金を支払うと表明。ただアナリストは外為市場への影響は限定的となるとの見方を示している。

<債券> 米金融・債券市場では、10年債利回りが上昇し、10カ月ぶりの高水準をつけた。中国の好調な国内総生産(GDP)統計などが材料となった。

中国の2017年の国内総生産(GDP)は前年比6.9%増と、政府目標の6.5%前後を上回り、26年ぶりの低水準だった16年の6.7%から拡大した。成長率が前年を上回るのは7年ぶりとなる。統計を受け10年債利回りは昨年3月以来の水準に上昇した。

またアップルが前日発表した投資・資金還流計画も利回り押し上げのきっかけになったという。アップルは向こう5年で米国内に300億ドルを投資する計画を発表。海外で保有しているキャッシュを還流させ、約380億ドルの税金を支払う方針も示した。

アップルは海外で得た利益の大半を債券で保有しており、うち米国債は525億ドルを保有しているが、市場では、アップルだけでなく他の多国籍企業も資金調達に向け米国債を売却するのではないかとの懸念が広がった。

入札関連では、130億ドルの10年物インフレ指数連動債(TIPS)入札に2014年以来の強い引き合いがみられた。最高落札利回りは0.548%と、2年ぶりの高水準だった。プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)の落札比率は11%程度。TIPSはインフレ高進によるマイナスの影響をヘッジする目的で買われるため、買いが増えることはインフレ上昇期待の織り込みと見なすことができる。

<株式> 米国株式市場は反落して取引を終えた。ハイテク株が小幅上昇したものの、工業株や金利動向に敏感な銘柄に売りが出た。

このところ堅調だったボーイングは3.1%下落。ゼネラル・エレクトリック(GE)も3.3%安となり、ダウを圧迫した。

エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ウォーン氏は「経済がどの程度のペースで拡大するかと、金利上昇ペースがどの程度になるかとの見方の間で綱引きが続いている」と指摘し、2018年は17年よりも相場の変動が予想される、との見方を示した。

モルガン・スタンレーも決算を発表し、これで大手銀行の決算はほぼ出そろった。モルガン・スタンレーの決算は利益が予想を上回り、株価は上昇した。

一方、バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンは4.4%安。2018年に一段の費用が発生するとの見通しを示したことが圧迫材料となった。

アルコアも四半期決算がアナリスト予想を下回ったことから7%下げた。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、利益確定の売りなどが出て6営業日ぶりに反落した。

このところ約4カ月ぶりの高値水準で推移していたことから高値警戒感が強まり、この日は利益確定の売りが広がった。また、外国為替市場では、主要通貨に対してドル高が未明にかけて先行。ドル建てで取引される金塊などの商品の割高感につながり、金相場は圧迫された。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、朝方の下げ幅を一掃し、ほぼ横ばいとなった。

最近の価格上昇を背景に米国内でのシェールオイル増産の動きが加速することへの懸念や利益確定の売りが先行したことから、原油相場は午前中に一時63ドル台半ばまで下落していた。石油輸出国機構(OPEC)がこの日発表の月報で、今年の非加盟国の供給見通しを引き上げたことも圧迫材料だった。

しかし、米エネルギー情報局(EIA)が午前中ごろに在庫週報を発表すると、相場は下げ幅を縮小した。

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