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税制改革による成長上乗せ予想は低すぎ=米クリーブランド連銀総裁
1月17日、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁(写真)は、税制改革による今後2年間の成長率の上乗せは小さ過ぎるとの見方を示した。 写真はマンハッタンで昨年8月撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は17日、税制改革による今後2年間の成長率の上乗せは小さ過ぎるとの見方を示した。
メスター総裁は、ニュージャージー州ラトガース大学での講演後、会見に出席した。経済成長やインフレに関してリスクは依然均衡しているものの、現在の上方リスクは「顕著」だと主張。「財政政策に関する私の仮定では、成長率は今後2年間にわたって0.25―0.50%ポイント上乗せされる見通しで、これは少し小さ過ぎるかもしれない」と述べた。
ただ、長期成長予想の2%は変更していないという。
総裁によると、企業は「かなり長期にわたって」労働市場の引き締まりを示しており、賃金や手当の増加につながっていると指摘した。
講演では連邦準備理事会(FRB)が国民との対話を改善する方法を示した上で、金融政策の立案には明確なコミュニケーションが不可欠だとの見方を示した。
メスター総裁はニュージャージー州ラトガース大学での講演で、明確なコミュニケーションを通じて家計や企業のより良い経済的意思決定を支援することで、金融政策は一段と効果的になると述べた。
講演のため用意された原稿で総裁は、この点においてFRBが「著しい」進歩を遂げたと評価した。
総裁は、対話を強化するため、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明は、会合の間に公表されたデータにおける短期的な変化に重点を置きすぎないようにすべきだと主張。その代わり、経済や金融情勢の累積した変化や、中期的見通しへの効果に焦点を絞るべきだと述べた。
総裁は、指標が政策決定の意味を説明する一方、FOMCは「単純明快な」金融政策ルールを使うべきだと言明。「単純な政策ルールにのっとって機械的に政策決定を行うことを主張しているわけではない。さまざまな経済モデルや状況すべてに十分有効な規則は存在しない」ものの、「ルールを基準点とみなし、これらの政策説明と現在の政策がなぜ一致しないのかを議論すれば、われわれの政策反応関数について国民に説明する助けとなるかもしれない」と述べた。