ニュース速報

ビジネス

税制改革による成長上乗せ予想は低すぎ=米クリーブランド連銀総裁

2018年01月18日(木)11時52分

 1月17日、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁(写真)は、税制改革による今後2年間の成長率の上乗せは小さ過ぎるとの見方を示した。 写真はマンハッタンで昨年8月撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は17日、税制改革による今後2年間の成長率の上乗せは小さ過ぎるとの見方を示した。

メスター総裁は、ニュージャージー州ラトガース大学での講演後、会見に出席した。経済成長やインフレに関してリスクは依然均衡しているものの、現在の上方リスクは「顕著」だと主張。「財政政策に関する私の仮定では、成長率は今後2年間にわたって0.25―0.50%ポイント上乗せされる見通しで、これは少し小さ過ぎるかもしれない」と述べた。

ただ、長期成長予想の2%は変更していないという。

総裁によると、企業は「かなり長期にわたって」労働市場の引き締まりを示しており、賃金や手当の増加につながっていると指摘した。

講演では連邦準備理事会(FRB)が国民との対話を改善する方法を示した上で、金融政策の立案には明確なコミュニケーションが不可欠だとの見方を示した。

メスター総裁はニュージャージー州ラトガース大学での講演で、明確なコミュニケーションを通じて家計や企業のより良い経済的意思決定を支援することで、金融政策は一段と効果的になると述べた。

講演のため用意された原稿で総裁は、この点においてFRBが「著しい」進歩を遂げたと評価した。

総裁は、対話を強化するため、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明は、会合の間に公表されたデータにおける短期的な変化に重点を置きすぎないようにすべきだと主張。その代わり、経済や金融情勢の累積した変化や、中期的見通しへの効果に焦点を絞るべきだと述べた。

総裁は、指標が政策決定の意味を説明する一方、FOMCは「単純明快な」金融政策ルールを使うべきだと言明。「単純な政策ルールにのっとって機械的に政策決定を行うことを主張しているわけではない。さまざまな経済モデルや状況すべてに十分有効な規則は存在しない」ものの、「ルールを基準点とみなし、これらの政策説明と現在の政策がなぜ一致しないのかを議論すれば、われわれの政策反応関数について国民に説明する助けとなるかもしれない」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは154円前半、中東リスクにらみ乱高

ビジネス

日産、24年3月期業績予想を下方修正 販売台数が見

ビジネス

日経平均は大幅反落、1000円超安で今年最大の下げ

ワールド

中国、ロシアに軍民両用製品供給の兆候=欧州委高官
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中