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カナダ中銀が追加利上げ、緩和は依然必要とも強調
[オタワ 17日 ロイター] - カナダ銀行(中銀)は17日、政策金利を予想通り1.00%から1.25%に引き上げた。利上げは昨年9月以来で、最近7カ月で3度目となる。労働市場の引き締まりと物価上昇が中銀の想定以上に進んでいることが背景。政策金利は2009年以来の水準となった。
中銀は今後も追加利上げの余地があるとしているが、米国、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方が「最大のリスク要因」としており、今後の利上げペースに関しては慎重な見方も出た。
ポロズ総裁は会見で「利上げ決定は簡単にはいかず、かなりの論争に発展した。単なる話し合いではなく、賛否両論を巡って突っ込んだ議論を行った。NAFTAが大きな不透明要因だった」と述べた。
中銀は声明で「経済見通しが今後の金利上昇を正当化するとみられる一方、経済成長率を潜在水準近辺にとどめつつ、インフレ目標を達成するためには、一定の金融緩和の継続が必要となるだろう」との認識を示した。
RBCキャピタルマーケッツ(ロンドン)の首席為替ストラテジスト、アダム・コール氏は「カナダ中銀は一段とハト派スタンスに傾いているようだ。とりわけNAFTAを巡る影響を懸念している」と指摘した。
トランプ米政権はNAFTA離脱を示唆しており、再交渉で合意できるかどうかは不透明。中銀はこれにより19年末までに投資が約2%減少すると分析している。さらにトランプ政権の法人税減税により、米国への投資が増え、カナダへの投資はさらに0.5%減るとみている。
中銀は、2018年の国内総生産(GDP)成長率およびインフレ率の見通しを上方修正した。消費や住宅投資が予想以上に好調で、企業投資や輸出は今後の成長に一段と寄与する見込みとした。
また、労働市場の緩みは予想以上に早く吸収されているほか、不動産価格が高騰した大都市のバンクーバー、トロントでは反落が続いているが、他の都市への直接の影響はそれほど見受けられないとした。
*内容を追加しました。