ニュース速報

ビジネス

企業の物価見通し、2期ぶりプラス幅拡大 インフレ期待は緩慢=日銀調査

2017年12月18日(月)10時27分

 12月18日、日銀が18日に発表した12月調査の日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価(CPI)は平均で1年後が前年比0.8%上昇となり、前回9月調査(同0.7%上昇)からプラス幅が小幅拡大した。都内で9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

日銀が18日に発表した12月調査の日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価(CPI)は平均で1年後が前年比0.8%上昇となり、前回9月調査(同0.7%上昇)からプラス幅が小幅拡大した。3年後と5年後はともに同1.1%上昇と前回から横ばいだった。足元の消費者物価は徐々に上昇率を高めているが、企業のインフレ期待は引き続き鈍い。

1年後の見通しが上昇するのは6月調査以来、2四半期ぶり。昨年6月調査の同0.6%上昇を底に持ち直しの動きもみられるが、ゼロ%台後半で一進一退の動き。3年後は3四半期連続、5年後は5四半期連続で同1.1%上昇が続いている。

昨年10月にマイナス圏にあった実際の消費者物価(除く生鮮食品)は、今年に入ってエネルギー価格の上昇を主因に上昇率を次第に高めている。直近の10月は同0.8%上昇までプラス幅を拡大させているが、企業の物価見通しからは、この間の企業のインフレ期待に大きな変化はうかがえない。

日銀では先行きについて、景気の持続的な拡大を背景に「企業の賃金・価格設定スタンスは次第に積極化していく」(黒田東彦総裁)と、価格引き上げの動きが広がるにつれて企業や家計のインフレ期待も上昇していくと見込んでいる。

景気と企業収益が好調な中、インフレ期待の上昇に向け、来年の春闘における賃上げ動向が鍵となりそうだ。

同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しは、現在と比べて平均で1年後が0.6%上昇、3年後が1.1%上昇、5年後が1.3%上昇となり、いずれも前回調査からプラス幅が0.1%ポイント拡大した。

*内容を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送米GDP、第1四半期+1.6%に鈍化 2年ぶり

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁

ビジネス

トヨタ、米インディアナ工場に14億ドル投資 EV生
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中