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企業の物価見通し、2期ぶりプラス幅拡大 インフレ期待は緩慢=日銀調査
12月18日、日銀が18日に発表した12月調査の日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価(CPI)は平均で1年後が前年比0.8%上昇となり、前回9月調査(同0.7%上昇)からプラス幅が小幅拡大した。都内で9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
日銀が18日に発表した12月調査の日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価(CPI)は平均で1年後が前年比0.8%上昇となり、前回9月調査(同0.7%上昇)からプラス幅が小幅拡大した。3年後と5年後はともに同1.1%上昇と前回から横ばいだった。足元の消費者物価は徐々に上昇率を高めているが、企業のインフレ期待は引き続き鈍い。
1年後の見通しが上昇するのは6月調査以来、2四半期ぶり。昨年6月調査の同0.6%上昇を底に持ち直しの動きもみられるが、ゼロ%台後半で一進一退の動き。3年後は3四半期連続、5年後は5四半期連続で同1.1%上昇が続いている。
昨年10月にマイナス圏にあった実際の消費者物価(除く生鮮食品)は、今年に入ってエネルギー価格の上昇を主因に上昇率を次第に高めている。直近の10月は同0.8%上昇までプラス幅を拡大させているが、企業の物価見通しからは、この間の企業のインフレ期待に大きな変化はうかがえない。
日銀では先行きについて、景気の持続的な拡大を背景に「企業の賃金・価格設定スタンスは次第に積極化していく」(黒田東彦総裁)と、価格引き上げの動きが広がるにつれて企業や家計のインフレ期待も上昇していくと見込んでいる。
景気と企業収益が好調な中、インフレ期待の上昇に向け、来年の春闘における賃上げ動向が鍵となりそうだ。
同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しは、現在と比べて平均で1年後が0.6%上昇、3年後が1.1%上昇、5年後が1.3%上昇となり、いずれも前回調査からプラス幅が0.1%ポイント拡大した。
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