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企業物価、11月は前年比3.5%上昇 9年ぶり高水準
12月12日、日銀が発表した11月の企業物価指数(速報)によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比で3.5%上昇し、前月の同3.4%上昇からプラス幅が小幅拡大した。写真は都内で5月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した11月の企業物価指数(速報)によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比で3.5%上昇し、前月の同3.4%上昇からプラス幅が小幅拡大した。上昇率は消費増税の影響を除いたベースで2008年10月(同4.5%上昇)以来の大きさ。前月比は0.4%上昇となった。
米中を中心とした世界経済の回復を受けた原油など国際商品市況の上昇がけん引している。
ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比3.3%上昇で、結果はこれを上回った。
国内企業物価が前年比で上昇するのは11カ月連続。原油価格の上昇を受けて石油・石炭製品が同19.0%上昇したほか、化学製品も上昇。中国の需要増加による銅の値上がりなど非鉄金属も同17.2%上昇となった。黒潮の大蛇行の影響でしらす干しが大幅に値上がりするなど農林水産物も押し上げに寄与した。
日銀では、企業物価について「強めの動きが続いている」としながらも、「国内需要の強さを背景にした上昇は鉄など一部にとどまっている」としており、引き続き世界経済や為替の動向などを注視していく考えだ。
上昇品目数と下落品目数は、公表744品目のうち前年比で387品目が上昇、248品目が下落した。上昇と下落の差は139品目で、前月の125品目からプラス幅が拡大した。
(伊藤純夫 編集:吉瀬邦彦)