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英中銀、前週に銀行資本要件の一段の引き上げを検討
[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は5日、前週にカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)を0.5%から1%に引き上げた際、これよりも大きな幅での引き上げを検討していたことを明らかにした。欧州連合(EU)離脱を含む金融システムへのリスクに対応するため、従来計画より大きな引き上げを検討したとしている。
英中銀は6月、銀行に自己資本積み増しを求める方針を表明。1年間の導入期間を設け、カウンターシクリカル資本バッファーを当時のゼロ%から0.5%に、11月に1.0%に引き上げる計画を示していた。
この計画に沿って英中銀は前週、カウンターシクリカル資本バッファーを0.5%から1.0%に引き上げることを決定。ただ決定に至るまでの金融行政委員会(FPC)の討議の議事要旨で、一段の引き上げが検討されたことが明らかになった。
議事要旨によると、「銀行に追加的な資本の積み増しを要請することには明らかな恩恵がある」との見解が示された一方で、「EU離脱が無秩序なものになり、時を同じくして深刻な世界的な景気後退が起こる確率は非常に低い」との考えも示された。
また、11月に1.0%に引き上げるとしていた従来のガイダンスに反してこれより高い水準に引き上げれば金融市場に衝撃が走り、「将来的な市場との対話の効果が阻害される」恐れがあるとの懸念も示された。
英中銀は2018年上半期にカウンターシクリカル資本バッファーの水準を再度見直すとしている。