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米上院予算委、税制改革法案承認 本会議で30日にも採決
11月28日、米上院の予算委員会は、共和党の税制改革法案(写真)を議論することなく採決にかけ、12対11で承認した。15日撮影(2017年 ロイター/Aaron P. Bernstein)
[ワシントン 28日 ロイター] - 米上院の予算委員会は28日、共和党の税制改革法案を議論することなく採決にかけ、12対11で承認した。承認を受け、同案は上院本会議で30日にも採決にかけられる見通し。
採決では、予算委員会の共和党メンバー12人全員が賛成票を投じた。民主党は委員会で議論がなされなかったことへの怒りをあらわにしている。
ホワイトハウスは予算委での法案承認について「歴史的な減税・税制改革の実現に向けた重要な一歩だ」と評価した。
共和党は党内の対立が長引き、法案可決に再び失敗するのを避けようと、税制改革法案を早々に本会議での採決に持ち込みたい考え。同案には医療保険制度改革法(オバマケア)で定められている個人加入義務の撤廃も盛り込まれており、同意に消極的な共和党議員もいる。
トランプ政権が今年1月に発足して以来、共和党は上下両院で過半数を握っているにもかかわらず、重要法案を1本も成立させていない。同党としては、来年の中間選挙までにこの状況を打開したいと望んでいる。
上院予算委のエンジ委員長は、承認は「より簡潔で、より公正で、より透明な税制」の実現に一歩近づいたと述べた。
税制改革法案の進展を受け、28日の米株市場は上昇した。
上院本会議で税制改革法案が承認される場合、トランプ大統領のもとに送る前に、下院がすでに承認した税制改革法案とすり合わせる必要がある。
上院案には、下院案で現行の35%から20%に即時引き下げるとしている法人税の引き下げ時期を1年先送りするほか、2025年までの期間限定での所得税減税などが盛り込まれている。
一方、共和党幹部は、上院での法案可決に必要な賛成票をまだ確保できていないことを認めている。マコネル上院院内総務は記者会見で「苦しい試練だ」と述べた。
予算委の採決では、前日に税制改革法案への反対を示唆していた共和党のボブ・コーカー上院議員が賛成に回った。財政規律を重視する同議員は、減税による財政赤字の膨張を防ぐ措置を法案に盛り込むよう求めていたが、最終案で自らの懸念が解消される見通しとなったことを明らかにした。
同じく反対を示唆していた共和党のロン・ジョンソン議員も、賛成票を投じた。