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テスラ、EVトラック開発などでさらなる資金調達は必至か
11月17日、米電気自動車(EV)大手テスラは、16日に発表したEVトラック「テスラ・セミ」とスポーツカー「ロードスター」の新型車の開発・生産のために、債権者や株主にさらなる投資を要請しなければならなくなるかもしれないと、アナリストは見ている。写真はイーロン・マスクCEO、16日カリフォルニアで撮影(2017年 ロイター/Alexandria Sage)
[17日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラ
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は16日の説明会では、テスラ・セミとロードスターの販売開始までに必要な追加の資金をどうやって生み出すのか詳細を明らかにしなかった。
テスラは第3・四半期に自動車事業で11億ドルを支出し、第4・四半期は10億ドルを使う見通し。9月末時点で現金と現金相当の流動性資産を約35億ドル保有していたが、今のペースなら来年第1・四半期末にはおよそ10億ドルまで手元資金が減る公算が大きい。
コーエンのアナリスト、ジェフリー・オズボーン氏は、テスラはただでさえ「モデル3」の生産遅れ問題を抱えているのに、テスラ・セミとロードスターの発表でマスク氏が使わなければいけないお金がさらに増えたと指摘した。
オズボーン氏によると、テスラがこれまでに発表した今後数年間の投資予定額を合計すると150億─200億ドルを超えるという。
ジェフリーズのアナリスト、Philippe Houchois氏は、テスラが今後円滑な生産を続けていくには25億─30億ドルを調達する必要があると予想。より長い目で見ると、資金を集中的に投下しなければならないこのビジネスモデルのために、テスラのリターンは自動車メーカーの最高レベルを下回り続けるとみている。
テスラが8月に実施した起債に対する投資家の反応は良好だったとはいえ、その後の流通市場で社債価格はさえない動きとなっており、近いうちに再び高利回り債を発行する場合、市場環境がより厳しくなる可能性がうかがえる。