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NY市場サマリー(17日)
[17日 ロイター] - <為替> ドルが主要6通貨バスケットに対し下落。米債利回り低下や米税制改革実現を巡る不透明性が圧迫材料となった。
ロシアの米大統領選干渉疑惑を捜査するモラー米特別検察官がトランプ陣営に対し、文書の提出を求める召喚状を出したとのニュースもドル売りにつながった。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興国通貨戦略主任のウィン・シン氏は「ドルは全面安となった。対円での下げが目立ったほか、新興国通貨の大半に対しても下落した」とし、米債利回りの低下が一因と指摘した。
米債利回りはこの日、税制改革の行方を巡る懸念から米株価が下落するなか小幅低下した。米下院は前日、税制改革法案を可決。上院での審議は来週の感謝祭休暇後始まる見通しだが、すでに一部共和党議員が反発していることもあり、予断を許さない状況となっている。
朝方発表された10月の米住宅着工件数が1年ぶりの高水準となったことを受け、ドルに買いが入る場面もあった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米株価が軟調となったことに加え独10年債利回りの低下を受け長期債を中心に利回りが低下する一方、2年債利回りはこの日も9年ぶりの高水準を更新し、長短金利差が引き続き縮小した。
ジェフェリーズ(ニューヨーク)の短期金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏は「12月の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、今週は消費者物価指数(CPI)など主要な経済指標の発表が相次いだが、CPI統計は必ずしも12月の利上げを否定するものではなかったため、市場では12月利上げ観測に対する安心感が増している」と指摘。「連邦準備理事会(FRB)が利上げに動くとの観測を背景に短期債利回りは上昇している」と述べた。
今年はこれまでイールドカーブはかなりフラット化しているが、アナリストの間ではフラット化は今後も続くとの見方が出ている。FTNフィナンシャルの金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は、FRBの来年の利上げをにらみ、2年債利回りと3年債利回りはさらに20bp上昇する可能性があると指摘。「財務省が来年第1・四半期の財務省証券入札規模を拡大させるなか、長短金利差はさらに20─25bp縮小する可能性がある」との見方を示した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 共和党の税制改革法案の行く末に懸念が出ていることで、主要3指数が揃って下落して終了した。
米議会下院は前日、税制改革法案を賛成227、反対205の賛成多数で可決。法案の審議は上院に移った。ただ税制改革を巡ってはロイター調査で約60人のエコノミストの約3分の2が同法案の年内成立は確信できないと回答。ロングボー・アセット・マネジメント(オクラホマ州)の最高経営責任者(CEO)、ジェイク・ダラーハイド氏は「十分な支持が得られず、トランプ大統領は同法案に署名できないのではないかとの懸念が出ている」と指摘。「今週は税制改革に対する大きな期待で始まったが、悪い2日酔いのような状態で週を終えることになった」としている。 アムンディ・パイオニア・アセット・マネジメント(ボストン)のポートフォリオ・マネジャー、ジョン・カーリー氏は「第3・四半期の企業業績はかなり良好となっている」と指摘。市場では「国内、および海外の政治リスクを巡る懸念が若干残るのみとなっている」と述べた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル安などを背景に買われ、続伸した。12月物の清算値は前日比 18.30ドル(1.43%)高の1オンス=1296.50ドルと、中心限月ベースで は10月中旬以来1カ月ぶりの高値を付けた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)が主導する協調減産延長への期待やドル安・ユーロ高基調を受けた割安感などを背景に4日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値は、前日比1.41ドル(2.56%)高の1バレル=56.55ドル。ただ、週間では0.33%安で、6週間ぶりに下落した。1月物の清算値は1.36ドル高の56.71ドルとなった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]