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欧州市場サマリー(15日)

2017年11月16日(木)04時56分

[15日 ロイター] - <為替> 10月米小売売上高が予想外に増加したほか、消費者物価指数(CPI)もやや上昇したことを受け、12月の利上げ観測が強まり、ドルは主要6通貨バスケットに対して下げ幅を縮小した。

<ロンドン株式市場> 5営業日続落して取引を終えた。一次産品の値下がりを受け鉱業や石油銘柄が売られた。

原油は国際エネルギー機関(IEA)が2018年の石油見通しを引き下げたことをきっかけに、値下がりが続いている。また、世界最大の資源消費国である中国で経済成長が鈍化している兆しから、金属価格も値を下げた。

FT350種鉱業株指数<.FTNMX1770>は0.98%低下し、1カ月超ぶりの安値をつけた。鉱業大手のリオ・ティントとアングロ・アメリカン、グレンコアは0.9%から1.4%下落した。石油株ではロイヤル・ダッチ・シェルが1.4%、BPが1.6%それぞれ値を下げた。

一方、比較的安全な資産とされる金が買われ、金生産のフレスニロは3.3%上昇した。HSBCが投資判断を「保留」から「買い」に引き上げたことも買い材料となった。同業のランドゴールド・リソーシズは0.8%高だった。

中型株ではブロードバンド事業者のトークトークが6.0%下落した。一時は10%安となる局面もあった。通期利益が市場予想の下限に迫るとの見通しが嫌気された

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。一次産品の資源銘柄が売られたほか、利益確定売りが続いていることから、STOXX欧州600種指数<.STOXX>は7営業日続落し、9月20日以来、8週間ぶりの安値となった。続落期間は、昨年の米大統領選を控えた2016年10月の株安以来の長さだった。

この日は原油需要の先行きが不安視され、原油価格が下落したほか、金属も値を下げた。これを受け、リオ・ティントやロイヤル・ダッチ・シェルなどの鉱業や石油銘柄が売られた。

STOXX欧州600種自動車・部品株<.SXAP>は0.95%低下し、値下がりが目立った。そのほかにも、今年の値上がりを受けた利益確定の売りが出る中で広範な部門にわたり株価はマイナス圏で取引された。

セバスチャン・リードラー氏を中心とするドイツ銀行のストラテジストらは、STOXX欧州600種が年末、現在の水準より3%高い395ポイントで取引を終えるとの見方を示した。その後、2018年の最初の数カ月間は375ポイントに反落するとした。「戦術として、直近ではニュートラルの姿勢を保つ。ただその後は反落するだろう。欧州の景気循環株はディフェンシブ銘柄と比べてアンダーウェートの姿勢だ。欧州株の動きは向こう数カ月間、米国株を下回るだろう」と述べた。

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセスは3.1%安だった。決算発表でプラス要素がなかったことが嫌気された。バーダー銀行のアナリスト、マーカス・メイヤー氏は「第3・四半期の数字はまあまあだった。製品ラインの変更やランクセスの事業戦略は予定通りだ」と述べる。

一方、欧州航空機大手エアバスは2.4%上昇した。ビル・フランケ氏率いる米投資会社インディゴ・パートナーズ傘下の格安航空会社から、小型旅客機「A320neo」シリーズを430機受注した。495億ドル規模の取引だ。受注数がボーイングを下回っているエアバスにとって追い風となった。

<ユーロ圏債券> 国債利回りが総じて低下した。ユーロが急伸し株式が下落するなか、リスク回避の需要が債券に集まった。

米国債利回りが低下したこともあり、安全資産とされるドイツなどの債券に買いが膨らんだ。商品相場の弱含みに伴い、世界の株式市場は下落し続けている。

こうした背景から、ドイツが約25億ユーロの10年債入札を行い、追加供給分を市場が吸収するなかでも、債券相場は堅調さを増した。

ドイツ10年債利回りは一時、4ベーシスポイント(bp)下げて0.36%と、約1週間ぶりの低水準をつけた。その後、0.38%で清算した。

30年債利回りもほぼ同程度低下して1.20%。

域内全体で10年債利回りは1━3bp下げた。

INGのシニア金利ストラテジストは「利回り低下は、株式や商品市場のリスク回避ムードを映す」と指摘した。

ロイター
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