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将来の金利変更に「慎重期す」、カナダ中銀据え置き
[オタワ 25日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は25日、市場の予想通り、政策金利を1.00%に据え置いた。金融刺激策の必要性は時間とともに低下するとしつつも、同国経済が直面するリスクや不透明性を踏まえ、将来の金利変更については慎重を期すと表明した。
中銀は声明で、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に絡む「かなりの不透明感」を強調。米国の保護主義が企業のオフショア生産を促進させる可能性があり、貿易や企業の設備投資への足かせとなる恐れがあるとした。
さらに、経済はフル稼働に近い状況にあるものの、労働市場にはなおスラック(緩み)が存在するとの認識を示した。
最近のカナダドル上昇についても言及。カナダドル高の影響で、2018年に予想されるインフレ率が2%に向かう時期が従来予想よりも若干後ずれするほか、貿易の伸びが幾分鈍化する可能性があると指摘した。
「時間とともに必要となる金融刺激策は減少する公算が大きいものの、将来の政策金利調整には慎重を期す」とした。
中銀が7、9月に連続で利上げを実施していただけに、今回の声明はハト派的な内容と受け取られた。市場が織り込む12月の追加利上げの確率は金利決定発表前の37%から30%弱に低下。カナダドルは米ドルに対し急落し、8月15日以来の安値を更新した。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は次回利上げは「1月と想定していたが、それさえも年央に後ずれする可能性が出てきた」と述べた。