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NAFTA再交渉、来年まで妥結持ち越し 基本問題で対立続く
10月17日、米首都ワシントンで7日間開かれた北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第4回会合では、米国とカナダ、メキシコ3カ国が最も基本的な問題で意見が一致せず、協議妥結を来年に持ち越すことで合意した。写真は会合後、ワシントンで共同記者会見する(左から)カナダのフリーランド外相、USTRのライトハイザー代表、メキシコのグアハルド経済相(2017年 ロイター/Yuri Gripas)
[ワシントン 17日 ロイター] - 米首都ワシントンで17日まで7日間開かれた北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第4回会合では、米国とカナダ、メキシコ3カ国が最も基本的な問題で意見が一致せず、協議妥結を来年に持ち越すことで合意した。米国とカナダは、双方が再交渉の進展を妨げていると責め合う構図となっている。
カナダのフリーランド外相は、米国が「勝者総取り」を目指していると批判した。米国は絶対譲れない条件として、5年ごとの再交渉義務付けや、自動車部品調達で大部分を米国製品が占めるようにすることを主張しながら、カナダやメキシコ製品の輸入障壁は設けやすくしようとしている。
一方、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は「われわれのパートナーが積極的に改革に動き、通商不均衡是正や米国の膨大な貿易赤字の減少につなげようとする兆しは見当たらない」と述べた。
ただメキシコのグアハルド経済相は、フリーランド氏やライトハイザー氏よりは前向きな考えで、来年まで協議が延長されたことで3カ国には「解決点を見出す機会が与えられている」と強調した。
次回会合は11月17─21日にメキシコ市で開かれる。
ライトハイザー代表は「良い合意」を目指しており、NAFTA撤廃に照準を合わせてはいないと発言。交渉が決裂した場合の計画は立てていないと述べた。
ある関係筋は、交渉決裂の可能性が現実味を帯びてきたと指摘した。
ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、ゲーリー・ハフバウワー氏は、米国がNAFTAを撤廃する場合は、来年3月まで決定を延期するだろうと予想。その時点までに、税制改革など他の政策が進展していれば、NAFTAから関心をそらすことが可能かもしれないとの見方を示した。
同氏は、どのように交渉に弾みをつけるのか、依然として不透明だと指摘している。
*内容を追加しました。