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超長期国債、偏在より鮮明に 「7年後に過半」と財務省推計
10月17日、財務省は、18日に開催する国の債務管理のあり方懇談会で、新規国債と借換債の将来推計をもとに発行年限別の残高を示す。写真は都内で2011年8月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 17日 ロイター] - 財務省は、18日に開催する国の債務管理のあり方懇談会で、新規国債と借換債の将来推計をもとに発行年限別の残高を示す。満期10年超の比率は2024年度末時点で51.4%と、超長期国債が過半を占める見通しで、国債の安定消化を続けるには生命保険各社の将来的な負債構造を見据えた対応が求められそうだ。
新たに提示するのは国債発行総額のうち、財投債と復興債を除いた年限ごとの発行残高。17年度計画の年限構成で推移する前提で、発行額から償還額を差し引いた純増額も試算した。政府筋が明らかにした。
推計では、24年度末の発行残高1003兆円のうち超長期債は516兆円と、初めて半数を超える。
年限別の純増額も超長期債がもっとも多い。24年度からは3年続けて28兆円となり、財投、復興債を合わせれば残高はさらに膨らみ、将来の需給悪化要因となりかねない。
財務省は、銀行による保有残高の減少に対応し、中短期債を減額する一方、生保の需要に応じて超長期債の増額を続けてきた。
ただ、高齢化に伴う保険契約の見直しで生保各社が「保険契約準備金」として抱える負債期間は、より短くなることも予想され、今後策定する国債発行計画で、中長期的な需要動向を反映できるかが焦点となる。
(山口貴也)