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ECB、資産購入縮小の必要=ラウテンシュレーガー専務理事
[シュツットガルト 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラウテンシュレーガー専務理事は9日、インフレを抑制している要因は一時的なものであるため、ECBは来年、資産買い入れを縮小し、将来的に買い入れを終了させる必要があるとの考えを示した。
ラウテンシュレーガー専務理事は「ECBは来年、債券買い入れを縮小し始める必要がある」とし、「買い入れ終了まで縮小は段階的に実施する必要がある」と述べた。
「出口に向かって少しずつ着実に、明確な方向性を持って進むことが重要だとわたしは考える」とした。
ただ、ECBは償還を迎える債券すべてを再投資するため、「債券の買い入れを完全に停止した後もある程度の金融緩和は残る」と述べた。
ECBは今月26日の理事会で来年に入っても債券買い入れを継続するかなどについて決定する見通し。ただ、インフレ率が今後数年にわたりECBが目標とする2%弱を下回る見込みであることから、一部の当局者は資産買い入れの終了を示唆することをためらっている。
これに対し、ラウテンシュレーガー氏は透明性が重要だと主張。不明確なシグナルは不必要な市場の不安定化を招き、ECBの政策の効果を損ねる可能性があると警告した。
また、低い金利と堅実な経済成長を踏まえると、インフレ率が目標水準に回帰するのは時間の問題で、非伝統的緩和策の出口戦略に着手することが既に可能になっているとの見解を示した。
「現時点で、出口戦略の道筋は明確だ。債券買い入れが終了する一方、金利は資産買い入れの時間軸より長期にわたり低水準にとどまることが見込まれる。ただ、われわれは依然として時間枠を決める必要がある」と語った。
*内容を追加しました。