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米上院、オバマケア改廃案の採決見送り 共和党内で十分な支持なく
[ワシントン 26日 ロイター] - 米共和党の上院議員らは26日、「最後のチャンス」と位置付けた医療保険制度改革(オバマケア)改廃案を巡り、今週実施を目指していた採決を見送る方針を明らかにした。
同党の重鎮マケイン議員に加え、ポール、コリンズ2議員が反対票を投じる意向を表明するなど、党内で十分な支持を取り付けられなかったことを受けた動き。
上院(定数100)は今月中なら60票ではなく過半数の賛成で法案を通過させることができるが、52議席を占める共和党で3人が造反すれば、法案は可決できない。
7月にオバマケアの一部を廃止する法案が採決にかけられた際は賛成49・反対51の僅差で否決されていた。
ジョンソン議員は26日、記者団に対し「時間切れとなった」と発言。共和党は税制改革の実現を目指した後に、再びオバマケア改廃に取り組む方針だと述べた。
採決見送りは2010年のオバマケア成立以降、見直しを目指してきた共和党にとって大きな痛手となる。今年発足した共和党のトランプ政権下で国内政策の重要法案を一つも可決できない可能性があり、来年11月の中間選挙への影響も懸念される。
新たな法案は、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)向け連邦予算などについて、州政府に包括的補助金の形で資金を分配することが柱となっている。
新たな法案を巡り、推進派は州政府に独自の医療保険制度を運営する裁量を与えることになると主張する一方、反対派はメディケイド向け連邦予算の大幅削減を反対する主な理由に挙げている。
昨年の大統領選でオバマケア見直しを公約の一つに掲げてきたトランプ米大統領は26日、政権はオバマケア改廃法案を支持しなかった「一部のいわゆる共和党員」に失望していると表明した。
共和党指導部のスーン上院議員は記者団に対し、共和党は十分な賛成票が得られることが明白になるまで、オバマケア改廃を再度目指す可能性は低いとし、まずは税制改革に取り組む考えを示した。
*内容を追加しました。