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三菱自、4―6月期は営業益4.5倍、燃費不正の特損消え最終黒字に
7月25日、三菱自動車が発表した2017年4―6月期連結決算では、営業利益が前年同期比4.5倍の206億円となった。写真はロゴ、インドネシア西ジャワ州で4月撮影(2017年 ロイター/Beawiharta)
[東京 25日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>が25日に発表した2017年4―6月期の連結決算では、営業利益が前年同期比4.5倍の206億円となった。燃費不正で影響のあった国内販売が回復、日産自動車<7201.T>との提携効果で購買を中心にコスト削減が進んだ。
前年同期に計上したタカタ<7312.T>製エアバッグのリコール(回収・無償修理)費用の影響もなくなった。
純損益は230億円の黒字(前年同期は1297億円の赤字)に転換した。前年同期に計上した、燃費不正関連の補償費用など特別損失がなくなったため。
売上高は前年同期比2.8%増の4409億円。世界販売台数は同9.0%増の24万1000台だった。前年に燃費不正問題で軽自動車の販売を停止していた日本で登録車、軽ともに一昨年の水準を回復したほか、中国での販売拡大などが寄与した。
18年3月期の連結業績予想は従来通りで、営業利益は前期比13.7倍の700億円。トムソン・ロイター集計のアナリスト13人の今期営業利益の予測平均値は782億円となっている。売上高は同4.9%増の2兆円、純損益は680億円の黒字(前期は1985億円の赤字)を見込む。
<日産提携効果は35億円>
日産との提携効果は今期に年間で約250億円を想定しているが、池谷光司副社長は会見で4―6月期は「35億円の効果が出た」と説明。社内目標に対し「良いスタートだった」と計画をやや上振れたとし、年間目標達成に向けて「順調に進んでいる」と評価した。
同副社長は、同様のモデルでもシートなどのスペックが違うため共同購買によってそろえるなど「単にコストを下げるだけでなく、スペック自体もきちんと管理することも重要」とし、物流などを含めて「協業分野を早急に広げていきたい」と述べた。
販売金融サービスでの協力ではオーストラリア、カナダ、ニュージーランドに続き、主要市場の一つであるタイでも25日からサービスを開始したと発表した。
<ディーゼル車の排ガス不正、電動車両にプラス>
欧州では15年のフォルクスワーゲン
欧州市場への影響について三菱自の横澤陽一常務執行役員は、同社のプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)の「シェアは上がっていく」と指摘。規制や補助金の動向にも影響するが、こうした動きがPHEV、EVの販売拡大を後押しし「チャンスになる」として提携先の日産・ルノーアライアンスとともに強化していくと語った。
*内容を追加します。
(白木真紀)