ニュース速報

ビジネス

米大統領、FRB議長にイエレン氏再任の可能性低い=ポリティコ

2017年07月12日(水)10時05分

 7月11日、米政治情報サイトのポリティコによると、トランプ米大統領は米FRBのイエレン現議長(写真)を来年に再任する可能性は低く、後任として米国家経済会議(NEC)のコーン委員長が有力候補とされている。写真はワシントンで6月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 11日 ロイター] - 米政治情報サイトのポリティコによると、トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のイエレン現議長を来年再任する可能性は低く、後任として米国家経済会議(NEC)のコーン委員長が有力候補とされている。

ポリティコが11日、事情に詳しい関係者4人の話として伝えた。

同サイトによると、ホワイトハウス、財務省、議会の関係筋は、コーン氏が希望すればFRB議長のポストを得られる可能性があるとしている。共和党関係者は「ゲーリー(・コーン氏)が望めば(議長職は)彼のものだ。彼はそれを望んでいると思う」と語ったという。

共和党の議会側近は、複数の共和党上院議員がコーン氏選任に難色を示す可能性はあるものの、同氏は幅広い支持を得るだろうと述べた。

ホワイトハウスのストロム報道官はロイターに対し、コーン氏はNECでの職務に注力していると述べた。

コーン氏は米金融大手ゴールドマン・サックスの社長を務めた経験がある。トランプ氏の大統領選キャンペーンには参加せず、昨年11月の選挙後にトランプ氏と知り合った。

トランプ氏は選挙中、イエレン氏が当時のオバマ政権のために低金利を維持したと非難し、イエレン氏が共和党員でないとの理由から交代させる意向を表明していた。しかし4月の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューでは、イエレン氏が現行の任期が終了する来年2月で「おしまいになる訳ではない」とし、同氏を尊敬していると述べていた。

イートン・バンスのグローバルインカム共同ディレクター、エリック・スタイン氏は「FRBは新議長によってノックアウトされることのない正常化に向けた道筋を確立させようとしている」と指摘。その上でコーン氏について、経済学博士号を持つイエレン、バーナンキ両氏とは非常に異なる議長になるだろうとの見方を示した。

コーン氏は1990年のゴールドマン入社時にはコモディティー(商品)トレーダーとして勤務していた。

スタイン氏は「(コーン氏は)ほぼすべてのFRB議長よりも金融市場に精通しているだろうが、金融政策に関するバックグラウンドは乏しい」と指摘した。

FRBの報道官はポリティコの報道についてコメントしなかった。

イエレン議長はこれまでに来年2月3日までの4年の任期を全うする意向を表明している。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

メキシコ当局者、中国EV現地生産に優遇策適用せず 

ワールド

WHOと専門家、コロナ禍受け「空気感染」の定義で合

ワールド

麻生自民党副総裁22日─25日米ニューヨーク訪問=

ワールド

米州のデング熱流行が「非常事態」に、1カ月で約50
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中