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英利上げ、数カ月以内に討議の公算=中銀総裁

2017年06月29日(木)03時00分

 6月28日、カーニー英中銀総裁は、英経済が完全稼動の状態に近づくにつれ中銀は利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、金融政策委はこのことについて「向こう数カ月」以内に討議すると述べた。27日撮影(2017年 ロイター/Jonathan Brady)

[シントラ(ポルトガル) 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は28日、英経済が完全稼動の状態に近づくにつれ中銀は利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、金融政策委員会(MPC)はこのことについて「向こう数カ月」以内に討議すると述べた。

カーニー総裁はポルトガルで開かれている欧州中央銀行(ECB)主催の会議で、企業投資の増加が消費の減速などをどの程度相殺しているのか、政策担当者は検証する必要があると指摘。「こうしたことについて金融政策委員会は向こう数カ月に討議する」とし、「金融刺激策の一部の引き揚げが必要になる公算がある」と述べた。

そのうえで「余剰生産能力が低減するにつれ、インフレが目標を超える事態に対する金融政策委員会の容認度は低下する」と指摘。

ただ「金融政策委員はそれぞれ見通しに対し異なる見方を持っており、政策金利引き上げ時期の見通しも異なるが、すべての委員は変更の規模は限定的で、変更は緩やかなものになるとの見方を示している」と述べた。

カーニー総裁は20日、現在は利上げを行う時期ではないと発言。今回はこうした発言を繰り返さなかったことで、市場では早期利上げ観測が高まり、英ポンドが8日の英総選挙以来の高値に上昇したほか、英国債利回りも上昇した。

カーニー総裁はまた、世界経済の力強い成長により世界的な均衡利子率が押し上げられ、結果的に英国の金融政策が相対的に緩和的になる可能性があるとの見方も示した。

カーニー総裁のこの日の発言について、INGのエコノミストは「政策バイアスの大幅な変更」を示していると指摘。一方、オックスフォード・エコノミクスのマーティン・ベック氏は、カーニー総裁は様子見姿勢を継続するとの立場を示したとしており、エコノミストの間では見方が分かれている。

英中銀のカンリフ副総裁はこの日、利上げについて、企業投資と輸出の回復がどの程度、消費の鈍化を相殺できるのかを見極めたいと述べ、現在は利上げに適していないとの考えを示唆している。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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