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景気動向の見極め必要、現在は利上げに適さず=カンリフ英中銀副総裁
6月28日、英中央銀行のカンリフ副総裁は、企業投資と輸出の回復がどの程度、消費の鈍化を相殺できるのかを見極めた上で、利上げの是非を判断したい、との考えを示した。写真はロンドンで撮影(2017年 ロイター/Jonathan Brady)
[ロンドン 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)のカンリフ副総裁は28日、利上げについて、企業投資と輸出の回復がどの程度、消費の鈍化を相殺できるのかを見極めたいと述べ、現在は利上げに適していないとの考えを示唆した。BBCラジオとのインタビューで述べた。
英中銀の金融政策委員会(MPC)内で政策金利据え置き派と利上げ派の溝が深まる中、カンリフ副総裁は据え置きを支持するカーニー総裁の側に付いた格好だ。現在の政策金利は過去最低の0.25%。
同副総裁は、賃金の伸びの弱さを指摘した上で、過去数年間で得た教訓は、失業率の大幅低下にもかかわらず、英経済があまり大きなインフレ圧力を生んでいないということだと述べた。
現在が利上げに適した時期かどうかとの問いには、「家計の実質所得がインフレで圧迫される中、(個人消費は)鈍化している。われわれは、企業投資や輸出の伸びによって消費の鈍化を部分的に相殺できるとみている。その程度を見極めたい」と発言。
その上で「われわれは国内のインフレ圧力の推移に注目する必要がある。ただ現時点では、インフレ指標は中銀に動向を見極める猶予を与えていると私は思う」と語った。
英中銀は先に、5月のインフレ率が2.9%に加速したことを受け、今秋のインフレ率が中銀目標(2%)を大きく上回る3%を超える可能性が高いとの見方を示した。
カンリフ副総裁は今回、インフレ率が中銀目標を上回ること(オーバーシュート)は、MPCのどのメンバーにとっても「望ましくない」と発言。ただ、そのオーバーシュート分のどの程度が国内要因によるものかを検討することは重要だと述べた。
*内容を追加しました。