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ドル111円前半、米NAFTA離脱撤回でメキシコペソ上昇

2017年04月27日(木)15時39分

 4月27日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の111円前半。写真は都内で2011年8月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 27日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の111円前半。トランプ大統領による北米自由貿易協定(NAFTA)離脱撤回が伝わり、メキシコペソやカナダドルが大幅に買い進まれた。日銀は金融政策の現状維持を決定したが、ドル/円は方向感に乏しい値動きにほぼ終始した。

正午前には、トランプ米大統領がメキシコ・カナダ首脳と電話会談し、NAFTAの再交渉を目指すが、条約を停止する考えはないと明言したことが伝わり、メキシコペソとカナダドルが買い進まれた。

メキシコペソは1米ドル=19.23ペソ付近から18.95ペソへ、1.45%のドル安/ペソ高が進んだ。カナダドルは1.36ドル前半から1.3535ドル付近まで上昇した。

正午過ぎに日銀が金融政策の現状維持を決定したと伝わったが、ドル/円は反応薄だった。日銀はマイナス金利幅を0.1%に、長期金利目標をゼロ%程度に維持するほか、長期国債買入ペースの年間80兆円めども維持する。

トランプ大統領の税制改革案について、具体案や財源確保の手立てが明確に示されなかったことに対する失望感の余韻が続き、東京時間もドルの上値追いの機運は盛り上がらなかった。

ただ、仏大統領選の第1回投票の結果や北朝鮮を巡る情勢が悪化していないことに対する安堵(あんど)感から、地合いはリスクオン気味だという。

市場では「なにをどれほど信じていいのか。なにをどう評価するべきかわからない」(FX会社)との声も聞かれ、結果的に、東京勢は様子見姿勢を強めている。

財務省が朝方発表したデータによると、本邦勢は4月16日―4月22日の週に、外国中長期債を1兆2838億円相当売り越した。売り越しは3週連続で、累計で4兆2556億円。売りの大半は銀行とみられ、期初の益出しとの指摘が出ていた。

きょうの欧州中央銀行(ECB)理事会では、金融政策の現状維持が見込まれる。

ただ、ロイターは25日、ECBが6月の理事会で金融緩和策の解除に向け文言の変更を検討していると報じており、ドラギ総裁が会見でどのようなスタンスを示すのか注目されている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.22/24 1.0898/02 121.22/26

午前9時現在 111.17/19 1.0906/10 121.25/29

NY午後5時 111.03/08 1.0903/04 121.07/11

ロイター
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