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国債は慎重継続、為替・金利踏まえ外債投資に機動性=17年度・第一生命運用計画

2017年04月25日(火)17時02分

 4月25日、第一生命保険は2017年度の一般勘定資産運用計画について、国債投資は引き続き慎重姿勢を維持する方針を示した。日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で、低金利環境が続くとみているためだ。写真は都内同本社で、2010年4月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 25日 ロイター] - 第一生命保険<8750.T>は25日、2017年度の一般勘定資産運用計画について、国債投資は引き続き慎重姿勢を維持する方針を示した。日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で、低金利環境が続くとみているためだ。

また、外債投資は為替・金利水準を踏まえて機動的に対応する。3年連続で積み増してきたヘッジ付き外債は、ヘッジコスト考慮後の利回りや米利上げ動向などを慎重に見極めて、投資時期を探っていく考え。

同社の運用企画部長の重本和之氏が、25日に行った運用計画説明会で明らかにした

円債投資は、低金利環境の継続を受け、引き続き抑制姿勢を維持する。国債が純減となるが、新規事業であるプロジェクトファイナンス・アセットファイナンスなどの投融資を積極化し、クレジットは増加を見込んでいる。同社のストックベースの円債利回りは2%強。

ヘッジ外債は16年度実績で、為替ヘッジコストを考慮した内外金利の相対比較から優位性があると判断し、3年連続で積み増した。しかし、17年度については、米利上げ動向と金利水準次第で機動的に判断する。「足元の投資環境に大きな変化がないということであれば、円債よりはヘッジ外債の方が妙味があるため、増加するかもしれない」(重本氏)という。

オープン外債は、16年度に為替動向を踏まえて残高を機動的にコントロールしたため、結果として残高が減少した。17年度は、残高積み増す見込みだが、リスク許容度や為替水準次第で機動的に対応する方針。

国内株は、16年度に普通株の売却ではなく、優先出資証券の償還で残高が減少した。17年度は「期末にかけて堅調な企業業績を背景に、日本株は上昇方向を基調に考えている」(重本氏)としており、想定レンジを念頭に、株価水準次第で残高をコントロールしていく。

外国株とオルタナティブは増加を予定している。ヘッジファンドではポートフォリオ全体のリスク分散につながるファンドへの入れ替えを継続。プライベートエクイティではバイアウトファンド、インフラファンド等の投資を強化していく。不動産投資は16年度に減価償却等により残高が減少したが、17年度はポートフォリオの特性の改善を目的とした取り組みを継続し、残高が増加する見込み。

また、低金利下での収益力強化として、新規分野に対する投融資を推進する。16年度は投資スキームの開拓やファンド投資手法の確立に加えて、かんぽ生命との共同投資等を通じたインフラ領域等に対する投融資を加速。17年度も引き続きこれらの領域に対する投融資を強化する。「有望な案件の情報を早く得ることができるように注力していきたい」(重本氏)という。

(星裕康)

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