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米12月CPIは前年比2.1%上昇 2年半ぶりの大きな伸び

2017年01月19日(木)02時30分

1月18日、12月の米消費者物価指数は前月比0.3%上昇した。写真は2013年11月、ロサンゼルスのショッピングモールで撮影(2017年 ロイター/David McNew/File Photo)

[ワシントン 18日 ロイター] - 米労働省が18日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比で0.3%上昇した。ガソリンと家賃の値上がりが全体水準を押し上げており、前年同月比では2.1%上昇と2014年6月以来2年半ぶりの大きな伸びとなった。前月比、前年同月比とも市場予想と一致した。

別個に発表された12月の鉱工業生産も2年ぶりの大幅な伸びを記録した。インフレや成長の伸びが継続して拡大した場合、連邦準備理事会(FRB)は現在の想定よりも速いペースで利上げを行う可能性がある。

プラント・モラン・フィナンシャル・アドバイザーズ(ミシガン州)のジム・ベアード最高投資責任者(CIO)は「消費者物価の勢いが増せば、FRBはタカ派姿勢を強め、一段と積極的な引き締めに向かうとの認識が広がるだろう」と述べた。

11月のCPIは前月比が0.2%、前年同月比が1.7%の上昇だった。

2016年の通年ではCPIは前年比2.1%上昇し、15年の0.7%上昇から伸びを拡大した。

昨年12月は変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIが前月比で0.2%値上がりした。前年同月比では2.2%上昇した。11月は前月比が0.2%、前年同月比は2.1%の上昇だった。

12月はガソリンが前月比で3.0%の上昇だった。11月は2.7%上昇だった。

食品は6カ月連続で横ばいだった。家庭で消費される食品に限ると8カ月連続の値下がりだった。

コアCPIの中では、住居費が引き続き値上がりした。家賃が0.3%値上がりした。帰属家賃は0.3%上昇で11月と同じ上昇率だった。

医療費は0.2%値上がりし、診療費は横ばいだった。処方せん薬は0.2%値上がりした。病院での医療サービスは0.3%上昇した。

12月は自動車保険費が0.8%上がったほか、幅広い分野の品目が値上がりした。

米経済が力強さを増し、労働市場が引き締まっていることを背景に、インフレ率は上昇している。そのことはFRBが想定よりも速いペースで追加利上げを実施するという見方につながっている。

FRBは今年3回の利上げを想定している。昨年12月には政策金利のフェデラルファンド(FF)金利を25ベーシスポイント引き上げ、年0.50-0.75%とした。

トランプ次期米政権の財政刺激策により、物価には引き続き上昇圧力がかかり続けるとみられる。ビジネスマンから政治家に転身した共和党のトランプ氏は今月20日に米大統領に就任する。トランプ氏は、インフラ支出の拡大や減税を約束している。

ウエルズ・ファーゴ証券(ノースカロライナ州)のエコノミスト、サラ・ハウス氏は「労働市場の引き締まりが継続するにつれ、労働集約型のサービス業などはコスト増に伴い一段と価格転嫁を進めていくとみられ、インフレ高進につながる可能性がある」と述べた。

ロイター
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