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アサヒ、欧州事業買収後もM&A先の研究・検討は継続=小路社長
1月17日、アサヒグループホールディングスの小路明善社長(写真)はロイターとのインタビューで、欧州事業の買収後も、買収先の研究・検討は常に行っていると述べた。2016年5月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 17日 ロイター] - アサヒグループホールディングス<2502.T>の小路明善社長は17日、ロイターとのインタビューで、欧州事業の買収後も、買収先の研究・検討は常に行っていると述べた。同社は昨年、旧SABミラーが持つ西欧・東欧事業を約1兆2000億円を投じて買収し、財務内容は一時的に悪化。
しかし、財務内容が欧州事業買収以前の水準に戻るまで新たなM&A(合併・買収)を実施しないとは言わない、とした。
小路社長は「買収先の研究・検討は、純有利子負債/EBITDA倍率(純負債倍率)が5倍だろうが、6倍だろうが常にやっている。これをやらなければ、投資案件を見る目が研ぎ澄まされない」と述べた。そのうえで「純負債倍率が3倍に戻るまでは、一切(M&Aを)しないとは言わないし、すると言う確定的なことも言えない。投資チャンスは貯金することができない」と述べた。
海外投資については、1)高収益事業、2)エリアでトップか第2位のブランド、3)トップとキーパーソンの経営能力が高いこと、4)醸造技術・生産効率が高いことーーーという4つの基準を満たすことが必要だと強調。
ベトナムの国営ビール会社、サベコ
アサヒは昨年12月、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)
小路社長は「買収した欧州事業は高収益事業であり、2020年には純負債倍率が(東欧事業買収前の)3倍程度に戻る」との見通しを示した。
買収に必要な資金については「エクイティファイナンスの必要はない。借り入れと国内社債で十分にいけると判断している」と述べた。
事業買収と同時に、中期計画の「選択と集中」の考え方の下、ノンコア事業の整理も進めている。小路社長は、酒類・飲料・食品をコア事業とし、「盤石なキャッシュ基盤にしていく」とした。特に、国内事業は為替に左右されない強みがあり、「国内のキャッシュ基盤が盤石化しているからこそ、海外投資ができる。さらに高収益化させる」とした。
一方、青島ビール<600600.SS> <0168.HK>や康師傅飲品控股有限公司といった海外の持ち分法適用会社については「どういう形で提携していくのがウイン・ウインか。提携の中身をもう一度見直す」との考えを示した。昨年、持ち分法適用会社である康師傅飲品の保有株式30.4%のうち10%を売却している。
(清水律子 浦中大我)