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社保審が高額療養費制度見直し議論、「低所得者に配慮も」
[東京 30日 ロイター] - 厚生労働省は、30日の社会保障審議会医療保険部会で、医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」について、70歳以上の上限額を現役世代並みに引き上げることを柱とする見直し案を提示した。審議会では低所得者層への配慮を求める声も上がり、年末の決着まで曲折も予想される。
高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が重くならないよう上限を設けるもので、超過分は保険者から償還払いされる。
審議会では69歳以下と70歳以上で上限額が異なる現行制度を見直し、70歳以上で年収370万円以上の自己負担上限額について、69歳以下の現役世代と同じように3段階の所得区分に応じて上限を引き上げる案を示した。
一方、住民税が課税される年収370万円未満の「一般」について、原案では外来の上限額を2万4600円(現在は1万2000円)、入院の上限額を5万7600円(同4万4000円)に引き上げる案に加え、区別せずに上限額を5万7600円とする案を併記。「住民税非課税」についても2案を軸に検討し、与党との調整を踏まえ、2017年度予算案に反映させる方針だ。
政府は17年度予算編成で、高齢化に伴う社会保障費の伸び(6400億円)のうち、1400億円程度の抑制を目指す考え。厚労省は高額療養費制度の見直しで最大480億円の抑制につながるとみている。