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武田、今期営業益見通しを据え置き 円高で売上収益は下方修正

2016年10月28日(金)18時09分

 10月28日、武田薬品工業 は、2017年3月期の連結営業利益見通し(IFRS)を据え置くと発表した。為替円高の影響により、売上収益は下方修正するものの、主力製品が好調に推移すると見込んでいる。写真は同東京本社で2009年7月撮影(2016年 ロイター)

[東京 28日 ロイター] - 武田薬品工業 <4502.T>は28日、2017年3月期の連結営業利益見通し(IFRS)を据え置くと発表した。為替円高の影響により、売上収益は下方修正するものの、主力製品が好調に推移すると見込んでいる。これまで「10%台前半から半ばの成長」としていた実質的なコア・アーニングスの17年3月期の目標は「10%半ばから後半」へと上方修正した。

上期の結果について、クリストフ・ウェバー社長兼最高経営責任者(CEO)は「成長は力強く満足している」と述べた。

連結売上収益は1兆7200億円から1兆6700億円(前年比7.6%減)へと引き下げた。為替円高の影響680億円を織り込んだ。

為替の年間平均は、1ドル=104円、1ユーロ=117円、1ロシアルーブル=1.6円などとなっている。

営業利益見通しは1350億円(同3.2%増)を据え置いた。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」など主力製品が好調なことから、為替円高のマイナス影響を吸収する。

「エンティビオ」は54カ国で承認され、9月に武田のナンバーワンの製品となった。19年3月期中には20億ドルを超える売り上げになると見込んでいる。「ニンラーロ」については新興国も含めて世界中で出していくほか、適応症も拡大していくため、将来的には「30億ドルを超える製品になる」(ウェバーCEO)と述べた。

16年4―9月期の連結営業収益は前年同期比5.9%減の8508億円、営業利益は同46.7%増の1620億円となった。

為替円高や事業売却などの特殊要因を除いた実質的な成長は7.4%増と増収になっている。営業利益は、為替や事業等の売却による減益影響を吸収して増益となった。実質的な成長が寄与しているほか、テバ社との合弁会社にかかる事業譲渡益が貢献した。

*内容を追加しました。

(清水律子)

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