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外債は事業債投資に注力、円高局面ではオープンに=住友生命・下期運用計画

2016年10月27日(木)16時40分

 10月27日、住友生命保険は2016年度下期の資産運用計画で、外国債券への投資はスプレッドの期待できる事業債投資に注力する考えを示した。写真は都内で2011年8月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 27日 ロイター] - 住友生命保険は27日、2016年度下期の資産運用計画で、外国債券への投資はスプレッドの期待できる事業債投資に注力する考えを示した。ヘッジコストを踏まえた投資を推進し、円高局面ではオープンにするとの方針だ。一方、国内債券は、減少を見込んでいる。

外債投資では、米国の利上げタイミングをにらみつつ、為替ヘッジコストを考慮し、収益性を踏まえる。上期の外国証券の簿価増加額は1兆0900億円。松本巌執行役員兼運用企画部長は「下期の資金配分は、おそらく半分以下」と述べた。

円高が進んだ局面ではオープン外債への投資を実行し、想定レンジの上限付近では為替ヘッジをするなど、機動的に為替リスクをコントロールする考え。

下期のドル/円レンジは90─115円と見ているが、米国で12月利上げの思惑が強まる中で、ドル/円は底堅さが見込まれるとし「100円近辺からは買える」(松本氏)との見方を示した。

上期の外債投資はオープンが1000億円程度、ヘッジ付きが1兆円弱だったと説明し、下期はオープン投資の比率が増える可能性があると述べた。

ヘッジコストが高い環境下では「トレジャリーへの投資ではリターンを生まない」(松本氏)として、スプレッドの期待できる事業債投資に注力する考えを示した。「下期は外債投資の半分程度を社債にしたい」(同)としている。

一方、国内債券は、日銀による金融緩和の枠組み変更を受けて、当面は低金利環境が継続するとみている。超長期債への投資を抑制し、クレジット資産への投資を拡大する考え。日本国債については「純増は考えていない。下期は減るだろう」(松本氏)としている。

国内・外の株式は、横ばいを見込む。成長分野への投融資には、引き続き積極的に取り組むとしている。

2016年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。

日本国債10年物利回り ▼0.30―0.10%(年度末▼0.10%)

米10年債利回り    1.30─1.90%(同1.70%)

米ダウ         15500─20000ドル(同19000ドル)

日経平均        1万4700─1万9000円(同1万7200円)

ドル/円        90―115円(同103円)

ユーロ/円       100―130円(同113円)

(平田紀之)

ロイター
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