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外債積み増し、国内債は横ばいで長期化を継続=大同生命・下期運用計画
10月25日、大同生命保険は、2016年度下期の一般勘定資産の運用計画について、国内債券については残高を横ばい程度とする一方で、利息収入の確保を目指して外債を残高ベースで積み増す方針を明らかにした。写真は各国の紙幣、1月撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)
[東京 25日 ロイター] - T&D保険グループの大同生命保険は、2016年度下期の一般勘定資産の運用計画について、国内債券については残高を横ばい程度とする一方で、利息収入の確保を目指して外債を残高ベースで積み増す方針を明らかにした。
2016年度上期の実績では、取引による残高増減ベースで、国内債券が600億円増加、国内株式が横ばい、外国株式が400億円減少、貸付は100億円の増加した。一方、外債投資はヘッジ外債とオープン外債を合せて1500億円の増加となった。
2016年度上期の実績について「こういう金利環境なので、正直なところ国内債は買いづらいが、資産・負債のデュレーション・ギャップの状況も踏まえ、当面は国内金利が上昇しないとの予測に基づいて、前倒しで購入した」と大同生命保険・執行役員の沖田芳弘氏は語る。
2016年度下期については、償還見合いで国内債券を購入する方針を明らかにした。
大同生命の一般勘定・資産残高は2016年6月30日時点で6兆0905億円。うち外貨建て資産は1兆4051億円。
9月末時点で、大同生命の外債に対するヘッジ比率は、約9割、外貨建て資産全体に対するヘッジ比率は約8割。2016年度下期については、米大統領選や米金融政策など、イベントリスクを受けて、一時的に円高に振れた場合には、機動的にヘッジ比率を下げる予定だ。
ドル建て資産のヘッジコスト(ドル調達コスト)上昇への対応策として、沖田氏は、オープン外債に加え「スプレッドの獲得が期待できる外国社債や地方債」などに引き続き投資していくスタンスを明らかにした。
ドル/円相場については、大統領選などのイベントリスクがあるため、16年下期のドル/円相場のレンジの下限を95円と予想する。
最大のリスクシナリオとして、米大統領選の結果を受けて、高値圏にある米国株が崩れ、リスク回避が広がり、ドル安/円高が進行し、日本株に下押し圧力がかかることも想定する。
日本株については横ばいないしは小幅に増加させる予定で「下期に向けては企業業績の回復期待が強まっていくと見ている」(沖田氏)という。
国内公社債のデュレーションは、2016年3月末時点の10.1年から、同9月末には10.4年に長期化した。
デュレーションの長期化について、沖田氏は「償還分の一部を超長期債に再投資することで、緩やかながらも長期化を進めている」と述べた。
2016年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り マイナス0.10―プラス0.10%
(年度末 0.00%)
米国債10年物利回り 1.40―2.00%(年度末1.70%)
日経平均 1万5000―1万9000円(年度末1万7500円)
ドル/円相場 95―110円 (年度末105円)
ユーロ/円相場 100―117円 (年度末110円)
(森佳子、リサ・トワロナイト)